13-4. 想像するちから

   「破壊する創造者」の次に読んでいるのが「想像するちから」です。著者は京都大学霊長類研究所長の松沢哲郎さんです。チンパンジーを研究することで人類とは何かを改めてと問い直すきっかけになるかもしれない本です。霊長類研究所と言えば、昔、今西錦司さんの本を片っ端から読んだものでした。還暦を迎えたという松沢さんは今西さんのかなり後輩にあたります。小生よりも若い世代です。

  霊長類ヒト科には4属あって、ホモ属(ヒト属)、パン属(チンパンジ−属)、ゴリラ属とオランウータン属が含まれるそうです。ところが日本の法律では既にチンパンジーはヒト科として分類されているそうです。つまり動物愛護法にはヒト科チンパンジーと書かれているそうです。チンパンジーとヒトの分岐は松沢説では下図のように500万年前頃らしい。































  ヒトとチンパンジーの全遺伝情報(ゲノム)の違いは1.2%程度だそうです。アカゲザルとの違いは6.5%もあるそうです。つまりチンパンジーはサルではなくあくまで断然ヒトに近いのです。イネの全遺伝情報はなんとヒトと40%も同じなのだそうです。この意味するところは?まだ理解できていませんが、とにかくヒトとチンパンジーは遺伝子的にほとんど同じ(98.8%)仲間なのだが、何故こんなに違うのか?

 「破壊する創造者」風に言えば、

・樹上から草原に降りたことにより、

  1) ウイルスとの共生発生の違い
  2) エピジェネティクスの違い。

  が生じました。森林と草原では環境がかなり異なるため、新しいエピジェネティックな影響
  を大きく受け、草原に存在するウイルスの種類も森林とは当然異なったのでしょう
  それがチンパンジーとヒトの進化の大きな違いを生んだのでしょう。

・出アフリカしたことにより、

  1) ウイルスとの共生発生の違い
  3)-1 亜種であるネアンデルタール人との亜種間交配が起きた。
  3)-2 異なるDNAハプロタイプ間の異遺伝子タイプ間交配が起きた。

  のが、次の進化の要因のはずです。

  樹上から降りて草原に立ちサバンナの大地で発展をした現代人類は、過酷な環境に変わってしまったアフリカ大地から、絶滅危惧種に陥りながらも出アフリカし、ユーラシア大陸へ逃げたことで全く新しいウイルスや環境に出会い、チンパンジーとは全く異なった進化の因子を受けたことによるのです。森林に留まったチンパンジーは新しい進化の因子に出会うことがなかったため、そのまま別の現代人類に進化することができなかったのです。

  人類に進化した現代人でも同じことが起きたと思われます。一部の集団が出アフリカを選ばず、森林に再度逃げ込むことで絶滅を免れました(コイサン族やピグミー族の先祖)が、その後チンパンジー同様新しい進化の因子を受けなかったため、5万年前のままそのまま時間が止まってしまったことがコイサン族などが現代人のオリジナルの姿をとどめている理由だと考えられます。

 「破壊する創造者」的には、環境が変わるということは、

 ・新しいウイルスに出会う  ・新しい土地にあった新しい生活スタイルに変わる(新しいエピジェネティクスに出会う)   ということです。

  勿論現代人類にとっては中東でのネアンデルタール人との出会いと交配は大きな出来事だったはずですが、もしかすると次のように極く自然な出来事だったのかもしれません。

  「破壊する創造者」では、ヒトとチンパンジーが分岐したのは700万年ぐらい前で630万年前頃に完全に分岐したと書いており、しかも過渡期の70万年間は互いに交配ができて遺伝子の交換が行われていたらしい。と書いている。つまりそれほどチンパンジーとヒトは近い仲間だった、と言うことです。ある日突然チンパンジーとヒトに分化したのではなく、70万年もかけて交配が続きながら共通の祖先からやっと分化・分岐したのです。

  ヒトは樹から降りて草原に立つことでチンパンジーとは別の進化を始めたのですが、立ったために前足が「手」に変化したと思っていたら、実は逆なのだそうです。霊長類は昔は「四手類」と呼ばれていたそうです、つまり霊長類のみが手が4本あるからだそうです。ところが霊長類の歩きは「後輪駆動」タイプでもともと後ろの手が地面を蹴って進むのだそうです。そしてヒトは樹から降りて直立後ろ手歩行を始めたため、後ろの「手」が物を掴む必要のない「足」に変化をし、直立二足歩行が完成された、そうです。アウストラロピテクスは頭蓋骨化石の特徴から完全直立二足歩行をしていたことが解っているため、紛れもなくヒトなのだそうです。ではアウストラロピテクス(猿人)とホモ属(ヒト属)との違いは何か?それが石器の製作でホモ属の化石には必ず石器が一緒に出て来るのだそうです。

  チンパンジーとアウストラロピテクス・アファレンシスの脳は400mlぐらいだそうですが、ホモ・ハビリスになると800mlに増え、現代人類では1200mlに増大しています、つまり猿人と現代人の間で脳の大きさ2倍になり更に3倍に発達したのです。しかしだから石器が開発できた、という訳ではなく、あくまで偶然の産物なのだそうです。

  さてチンパンジーがヒトに圧倒的に勝るのが直感像記憶だそうです、アフリカでは生き残るために、一瞬見えた動くもの、一瞬聞こえた物音が敵か仲間か瞬時に判別する必要があるためであるらしい。しかしどんなに直感像記憶が優れていても、その体験を他者と共有するためには伝える必要があります。そのため人類が「直感像記憶能力」を失っても手に入れたものが「言語」であるそうです。では何故、直感像記憶力を失うことになったのか、それは簡単な理由らしい、つまり脳の容量が決まっていたからだそうだ。結局、2つの能力を同時には持てず、直感像記憶力を捨てて言語を選んだのだそうです。よく脳科学番組で一瞬見たものを記憶するゲームがあるが、全く無意味なことなのだ。記憶できる必要はないのだ、捨てた能力なのだから。ヒトが失ったものは他にもあるそうです、嗅覚や運動能力だそうです。かといって運動音痴の人の方が進化している、とは書いてはありませんが...。ホモ属が出現した250万年前頃、脳が400mlから800mlに一気に増えた頃に直感像記憶力や嗅覚など、本来持っていた能力を失い、代わりに言語を獲得したのだそうです。

  いよいよ本題ですが、もうひとつチンパンジーとヒトの大きな違いは「想像する」という能力だそうです。チンパンジーは「今、この世界に生きている」ため、将来や未来を想像する能力を備えていないそうです。これは長い間の日本やアフリカ大地のチンパンジーファミリーとの生活・観察で解明できたことだそうです。

  つまり刹那的に、今が良ければ良い、と言う生き方の人はチンパンジーの脳のまま止まってしまい進化していない、ということになります。チンパンジーを長いこと観察し、またあの有名なチンパンジーの「アイ」など3世代14人*のチンパンジーと生活を共にしてきた研究者がたどり着いた結論なので重みがあります。(*14匹ではありません、ヒト科なので14人なのです)

  そして著者の結論は;

  人間とは何か? それは「想像するちから」。想像する力を駆使して、希望を持てるのが人間、なのだそうです。人間である以上、想像力を働かして物事に対処し将来のために行動する、ことが「自然」のことなのです。当然ですが「絶望」も人間だけが持つ特性だそうです。

  東日本大震災に遭われた方々の絶望感は想像するに余りありますが、それでも未来を見据えて復興後を夢見て明日に向かえるのが人間なのでしょう。勿論日本人全員の支援が必要です。

  

以上

表紙に戻る

くりっく365とは   プロフィール  PR:無料HP  横手自動車学校  IT 専門学校  SSTツール  タイヤ 寿命  タイヤ プリウス 新品  ボーカロイド 専門学校  クルマパーツ  ふくやま自動車学校  パワーストーン  山梨 合宿免許  マーク2 中古  リノベーションセミナー