15-10. 過去5000年で人類に有害な遺伝子変異が増大しているそうです

2013/1/10付けのNature Japanハイライトに当該論文が紹介されていましたので紹介文を転載します。

遺伝: ヒト集団内で最近起こった遺伝的変動ブックマーク

Nature 493, 7431
2012年1月10日
米国立心肺血液研究所(NHLBI)のエキソーム塩基配列解読計画の一環として、欧州系アメリカ人とアフリカ系アメリカ人6,500人以上のエキソームが解読された。 今回これらのデータを使って、タンパク質コード領域内の一塩基変異(SNV)のうち約73%、また有害と思われるSNVのうち86%が、過去5000?1万年以内に生じたものであると推定された。 これは進化の歴史から見れば短い期間であり、人口が急激に増加した時期と一致する。有害と推定される変化の約86%がこの同じ時間枠の中で生じており、 アフリカ系アメリカ人に比べると欧州系アメリカ人のほうが、必須遺伝子やメンデル型疾患の遺伝子に有害な変異を多く持っている。 これらのデータは、最近のヒト集団では変異の起こりうる余地が広がり、それがメンデル型疾患という負担にも影響を与えてきたことを示唆しているが、 これは同時に、有益な遺伝的変化をも促進する可能性が高く、今後の世代でそうした有益な変化が選択されていくと考えられる。 実用面では、この研究成果は遺伝子マッピング研究の際に疾患の原因となる変異の優先順位をつけるのに役立つだろう。


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2012/11/30の記事

  11月29日付けのNature電子版に、特に1万年前の農耕革命後の人口爆発増に従い有害な遺伝子変異が増大し特に過去5000年で急増しているとの記事が掲載されました。
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Past 5,000 years prolific for changes to human genome

Nature News 2012/11/28
Nidhi Subbaraman

The human genome has been busy over the past 5,000 years. Human populations have grown exponentially, and new genetic mutations arise with each generation. Humans now have a vast abundance of rare genetic variants in the protein-encoding sections of the genome1, 2.

  A study published today in Nature3 now helps to clarify when many of those rare variants arose. Researchers used deep sequencing to locate and date more than one million single-nucleotide variants ? locations where a single letter of the DNA sequence is different from other individuals ? in the genomes of 6,500 African and European Americans. Their findings confirm early work by Akey1 suggesting that the majority of variants, including potentially harmful ones, were picked up during the past 5,000?10,000 years. Researchers also saw the genetic stamp of the diverging migratory history of the two groups.

  The large sample size ? 4,298 North Americans of European descent and 2,217 African Americans ? has enabled the researchers to mine down into the human genome, says study co-author Josh Akey, a genomics expert at the University of Washington in Seattle. He adds that the researchers now have “a way to look at recent human history in a way that we couldn’t before.”
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この記事の元ネタになった論文は同じ号の下記論文です。 朝日新聞に論文の紹介の記事がありました、上手くまとまっているので転載します。

  Analysis of 6,515 exomes reveals the recent origin of most human protein-coding variants Wenqing Fu, Timothy D. O’Connor, Goo Jun, Hyun Min Kang, Goncalo Abecasis, Suzanne M. Leal, Stacey Gabriel, David Altshuler, Jay Shendure, Deborah A. Nickerson, Michael J. Bamshad, NHLBI Exome Sequencing Project6 & Joshua M. Akey   Establishing the age of each mutation segregating in contemporary human populations is important to fully understand our evolutionary history1, 2 and will help to facilitate the development of new approaches for disease-gene discovery3. Large-scale surveys of human genetic variation have reported signatures of recent explosive population growth4, 5, 6, notable for an excess of rare genetic variants, suggesting that many mutations arose recently.   To more quantitatively assess the distribution of mutation ages, we resequenced 15,336 genes in 6,515 individuals of European American and African American ancestry and inferred the age of 1,146,401 autosomal single nucleotide variants (SNVs). We estimate that approximately 73% of all protein-coding SNVs and approximately 86% of SNVs predicted to be deleterious arose in the past 5,000?10,000?years. The average age of deleterious SNVs varied significantly across molecular pathways, and disease genes contained a significantly higher proportion of recently arisen deleterious SNVs than other genes.   Furthermore, European Americans had an excess of deleterious variants in essential and Mendelian disease genes compared to African Americans, consistent with weaker purifying selection due to the Out-of-Africa dispersal. Our results better delimit the historical details of human protein-coding variation, show the profound effect of recent human history on the burden of deleterious SNVs segregating in contemporary populations, and provide important practical information that can be used to prioritize variants in disease-gene discovery.
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  このFuらのオリジナル論文で最も大切なのは下記の人口遷移図です。約1万年前、Y-DNA「J2」がメソポタミアの肥沃な三角地帯でまたY-DNA「O2」が長江流域でほぼ同時に農耕革命を興しましたが、 すぐに人口爆発増が起きたわけではなく、農耕革命の恩恵を利用したのは5000年ぐらいあとの他の遺伝子集団でした。



























  1万年前にメソポタミアと長江下流域でほぼ同時に農耕革命が起り、メソポタミアで農耕革命を興したと考えられているY-DNA「J2」遺伝子農民集団は、 農耕を未開民だった先住民のY-DNA「I」や「R1b」、「E1b1b」に伝えたのですが、自らヨーロッパ大陸に展開することはしませんでした。何故?か明解に説明した論文はまだありません。 地中海の主に南岸(アフリカ北岸)に住みつき北アフリカの先住民化したのです。これは不思議なことです。 しかし安定した食糧確保にとって農耕が重要であることに気が付いたY-DNA「R1b」、「R1a」、「I1」、「I2」や「E1b1b」は積極的に取り入れ集団のエネルギーを増してゆきました。

  一方、極東では基本的に陸稲・雑穀の遅れた文化だった黄河系Y-DNA「O3」が最終的に水田稲作農耕民を取り込みうまく利用し集団エネルギーを高め4000年の中華王朝を樹立することに成功したのです。 この構図は日本列島でも全く同じでした。(漢民族の55%を占めるY-DNA「O3」の子亜型を分析すると黄河文明直系の「O3」と「O3a1」の出現頻度20%に対し、 長江文明系との交配系遺伝子集団「O3a2」の出現頻度は35%ではるかに人口頻度が高いのです。統治に長けた好戦的な黄河系が、安定供給できる食糧生産農耕を開発した先進だった長江文明系農民を いかに上手く取りこんで漢民族を確立したか良くわかります。)

  水田稲作農耕を興した最先端の農耕技術を持った長江文化遺伝子集団は、陸稲・雑穀文化だった好戦的な黄河文明遺伝子集団との争いに負けて、 長江を追い出され楚の民と考えられるY-DNA「O1a」は台湾に逃げ更に海づたいに海南島、フィリピン、インドネシアなどの東シナ海から南シナ海、スンダランドの島々の先住民化して生きのびました。 また越の民と考えられる「O2a」は陸路を南に逃げヴェトナムからさらにカンボディア、タイ、バングラデシュ、東インドから最後に南インドのドラヴィダ人の中に逃げ込み水田稲作文化を伝え、 タミール語の中に日本語の水田稲作用語つまり弥生人の語彙と同じ農耕語彙を今に伝えています。

  そして呉の民と考えられる「O2b」は北に逃げ満州で留まり水田稲作農耕にチャレンジしましたが、気候が合わず、多くは南下し朝鮮半島南部(韓半島)で水田稲作農耕を確立させ (朝鮮半島北部は陸稲文化だったと考えられますが北なので情報は皆無です)、更に良い土地を求めてボートピープルとして九州に上陸し稲作農耕を確立し先住の多数派の縄文人と共存しながら稲作を広め、 意外に早く青森まで稲作が浸透することになりました。長江を追われ水田稲作に適した土地を求め流浪した呉系弥生人は先住のY-DNA「D2」縄文人と敵対せず交配・共存する道を選んだようです。 このため「O2b」は「O2b1」に分化し、「D2」も「D2a1」に分化し日本列島独特のハプロタイプ小亜型ができたのです。

  朝鮮半島南部と北九州は呉系長江文化圏を構成していたようです。つまり同一の遺伝子集団による同一の稲作農耕文化圏だったのです。その中から3韓や伽耶などの集団が現れたのでしょう。 一般大衆は呉系長江人だったはずです。支配階級は?まだ解析出来ていませんが恐らくY-DNA「O3」ではないかと思います。後に日本列島に武装侵攻し征服支配した大和朝廷族や武士団族は 中国王朝の朝鮮半島の出先機関だった楽浪郡等の漢族系支配階級の負け組や戦闘集団の負け組「O3」だった可能性が極めて大です。 「O3」漢族崩れの武装侵攻侵略者は何派かが渡来しては割拠しその中で最終的に勝ち残ったのが百済王族系の「O3」でその親衛隊が平家、高句麗系の武装集団が坂東武者になり、 新羅・花朗系の武装集団が源氏になったのではないかと、遺伝子調査から推測できます。

  縄文系の他の2遺伝子集団で縄文土器の製作者と考えられる海のハンターY-DNA「C1a」と陸のハンター「C3a1」はこれまで別記事で書いたとおりで、遺伝子の調査から推測できるのはここまでです。

  ●では本論文の、何故ここ5000年で有害な遺伝子変異が急増したのでしょうか?直接的な原因は勿論急激な人口増です。上の人口遷移図はアフリカ系とヨーロッパ系のアメリカ人の調査ですが、 アジア系でも同じような傾向かもしれません。出アフリカ時のホモサピエンスの人口はスタンフォード大学の論文で1900人ぐらいだったと想定されています。 これはStanford大学がホモサピエンスは人口2000人程度の絶滅危惧種に陥り出アフリカ時を決行したとしていますが、欧米の学会ではそのように考えているようです。

  そしてインド亜大陸へ向けた大移動の間に新しい土地のレトロウイルスに感染し、都度病気に罹りながらもレトロウイルスの共存・内在化性に助けられ病気を克服し今に至っているのだと考えられます。

  最新進化論の「破壊する創造者」の著者フランクライアン風に考えれば、進化の4つの要因のうちの
  2)異遺伝子との交配で相手の持つ新たな
  3)レトロウイルスに感染し、レトロウイルスが遺伝子内に共生すなわち内在型に変化する過程で、
  1)突然変異すなわち遺伝子の分化が引き起こされると考えると理解しやすくなります。

  レトロウイルスは病気を引き起こす有害要因ですが、代表的なATLやHTLVでわかるように遺伝子内に内在しほとんどの人では発症しないが、稀に発症する人がいます。 レトロウイルスはあくまで自分自身の遺伝子を伝えるために人に感染しヒトの遺伝子内に共生つまり内在するので、感染した宿主に死なれては困るのです、 遺伝子内に共生するため宿主が死ねばウイルスも死ぬことになるからです。レトロウイルスの代表例であるエイズも感染しても発症しない人の方が圧倒的に多いのです。何故なら宿主に死なれては困るからです。   それでも不幸にも命を落とす場合があるのです。何らかの要因で内在したレトロウイルスの疾病力が発現してしまうためです。そのメカニズムはまだ明らかにはなってはい、ません。

  有害な遺伝子変異を引き起こす要因が全てレトロウイルスとは限らないと思いますが、ヒトゲノムの46%は内在したレトロウイルスであることは 記事「12.1 破壊する創造者1  1章〜6章まで」でご紹介した通りです。復習のため図を載せます。























  人間の体を構築するたんぱく質などの情報をつかさどるのは遺伝子のたった1.5%(機能遺伝子)でしかなく、

・HREV 9% 人間が過去に感染したRNAウイルスの名残で、人内在性レトロウイルスだそうです。
・LINE 21% 人間と過去から共生してきたRNAウイルスだそうです。
・SINE 13% 人間と過去から共生してきたRNAウイルスだそうです。
・DNAトランスポゾン 人間と過去から共生してきたDNAウイルスだそうです。
・不明   52.5%  5章までではまだ説明されていません。

  つまり我々の遺伝子の46%がウイルス由来の遺伝子だという事実です。 人間の遺伝子のはずなのにウイルス由来の遺伝子の方がはるかに多い、つまりレトロウイルスの感染と共存・内在化が遺伝子分化という小さな突然変異の原因なのでしょう。 そして異なるレトロウイルスに感染した異遺伝子との交配が新たな種類のレトロウイルス感染を引き起こし、ハプロタイプの子亜型や孫亜型..へ更なる分化を引き起こすと考えられます。 



以上

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