15-18. 引きこもり等、成人後の強い不安の原因はエピジェネティクスの発現異常か?

  「Nature Communications」の2013年8月7日付オンライン版に、興味を引くレポートがありました。「成人後の強い不安の原因は妊娠中の胎盤内のホルモン不足か?」 と言った内容です。妊娠中の胎盤内で必要なインスリン様増殖因子2が不足すると、遺伝子を発現するためのエピジェネティクスが正常に働かなくなり、誕生し成人になった後で不安症になる、 という心の病気に関する報告です。

  当サイト「日本人のガラパゴス的民族性の起源」の主要テーマは「縄文系及び弥生系遺伝子」の啓蒙活動ですが、 「エピジェネティクス(後天的獲得形質遺伝による進化=新ラマルクの進化論)進化論」の啓蒙活動も行っています。

  もう一つ興味があるテーマに「社会恐怖症と引きこもり」があります。しかし当然ながら当サイトの趣旨には全く合わないためスルーしてきましたが、 最近のNatureの記事で遺伝子発現に影響される不安症が報告され、どうやらエピジェネティクスによる遺伝子発現がうまくいっていない例ではないかと考えられるため、 当サイトのエピジェネティクス啓蒙活動に合致すると考えられるために記事にしました。

  エピジェネティクス(後天的獲得形質遺伝)はラマルク進化論の新しい形とも言われています。当ガラパゴス史観で触れたエピジェネティクスは

  ・高緯度地適応形質
   滅びる寸前のネアンデルタール人との中東での交配で、ネアンデルタール人が出アフリカ後ユーラシア大陸で数十万年掛けて獲得した色白、彫深顔、赤毛・金髪、碧眼等の 高緯度地適応した獲得形質を(最先端の石器や種々の高度な文化も含め)一気に獲得できたエピジェネティクス。 大柄化はネアンデルタール人の食物連鎖の頂点捕食者化(肉食化)による獲得形質。 もしネアンデルタール人との遭遇・交配がなければたった2000人程度の絶滅危惧種として出アフリカしたホモサピエンスはまだ現代文明を築けていなかった可能性が大なのです。

  ・寒冷地・黄砂適応形質
   古住シベリア先住民が寒冷化したシベリアで生き抜くために獲得したフラットフェース、一重瞼、薄い体毛等々や黄河流域民が遭遇した黄砂の厳しい環境下で適応した フラットフェース、一重瞼などの同様の獲得形質。

  が特に民族論では重要です。

  ところが最近のNatureの論文でそもそも我々の遺伝情報が発現する際に、エピジェネティクスが働いておりエピジェネティクスが正常に働かなくなると 遺伝子発現異常に起因する症状が現れることがわかってきています。エピジェネティクスは「見かけの獲得形質」のようなレベルの事ではなく そもそも遺伝情報を正しく発現させるために生物が進化の過程で獲得してきた「システム」であることがわかりつつあります。

  生物の情報は全て遺伝子に書き込まれていますが、その情報が正しく発現されないと遺伝子が本来意図した生物にはならないことがわかります。 エピジェネティクスは複雑化した遺伝情報(設計図)を正しく発現し意図した生物に仕上げるために遺伝子が作った段取り・工程表なのです。

  そして本記事は、その段取り・工程表にどうやらミスが発生すると成人してから社会不安症等の不安症に成るのではないかと推測させるのです。 引きこもりの遠因ではないかと考えられるのです。今後の研究が必要ですが、重要なことは同性愛にしても自閉症にしても社会恐怖症にしても、 そもそも遺伝情報の発現が正しく行われなかったことが起因とする、と直す手段は残念ながら全くないと言うことです。心を形成する遺伝情報を誕生後に書き直す手段はないからです。

  という訳で、論文をご紹介します。
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Placental programming of anxiety in adulthood revealed by Igf2-null models

Mikael Allan Mikaelsson, Miguel Constancia, Claire L. Dent, Lawrence S. Wilkinson & Trevor Humby

Imprinted, maternally silenced insulin-like growth factor-2 is expressed in both the foetus and placenta and has been shown to have roles in foetal and placental development in animal models. Here we compared mice engineered to be null for the placenta-specific P0 transcript (insulin-like growth factor-2-P0 KO) to mice with disruptions of all four insulin-like growth factor-2 transcripts, and therefore null for insulin-like growth factor-2 in both placenta and foetus (insulin-like growth factor-2-total KO). Both models lead to intrauterine growth restriction but dissociate between a situation where there is an imbalance between foetal demand and placental supply of nutrients (the insulin-like growth factor-2-P0 KO) and one where demand and supply is more balanced (the insulin-like growth factor-2-total KO). Increased reactivity to anxiety-provoking stimuli is manifested later in life only in those animals where there is a mismatch between placental supply and foetal demand for nutrients during gestation. Our findings further distinguish placental dysfunction from intrauterine growth restriction and reveal a role for the placenta in long-term programming of emotional behaviour.
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Nature Communicationsの紹介記事です。

  哺乳類の仔は、子宮内での発生期に特定のホルモンが欠乏すると、成体になってから、より強く不安を感じることがわかった。

  この新知見は、情動行動の長期的プログラミングにおける胎盤の役割に関して新たな手がかりをもたらしている。

  インスリン様増殖因子2は、哺乳類の胎仔と胎盤の発生で大きな役割を果たすことが明らかになっており、胎盤と胎仔における発現の変化が、子宮内での発育不全に関係すると考えられている。

  子宮内発育不全は、新生仔の発育に影響することが知られているが、その長期的影響は十分に解明されていない。

  今回、Lawrence Wilkinsonたちは、胎盤においてのみインスリン様増殖因子2が欠乏していたマウスの成体期の行動を調べた。 その結果、このマウスの不安に関連する行動的形質が増強されており、これに伴って、この種の行動に関連する脳の遺伝子発現に特異な変化が見られた。

  今回は、マウスを用いた研究だったが、これによって得られた知見は、ヒトの発生にさらに幅広いかかわりをもつ可能性がある。

  ただし、この新知見が妥当する範囲を判断するには、さらなる研究が必要となる。

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  カーディフ大学のニュースセンターの紹介記事のタイトルは「Adult behaviour triggered in the womb?」です。 つまり成人の振る舞いは既に子宮の中で起きており(胎盤のプログラミングと言うらしい)、インスリン様成長因子(insulin-like growth factor-2:Igf2)である ホルモンが胎盤内で不足すると脳遺伝子の発現に変異が起り成人後のメンタルヘルスに障害が生じる、という説明です。

  「社会恐怖症・引きこもり」は全く原因がつかめていません。専門家と称する医者や研究者は多いのですが一般的にはまだ病気とは認知されておらず、 未だ単なる「さぼり」として言われる場合が多いのです。従って専門外来もなく、精神科、心療内科等々近傍の分野に掛け込み結局何も解決せず親も 子供も年老いてゆくのです。一部の熱心なカウンセラーの方々も原因がわからないため経験則しか持ち合せていないのです。

  わかっていることは、この「病気」は治ることはない、社会で働くことはかなり難しく、良くても専門家の主宰するクリニックや施設内でひっそりと過ごすのが精一杯です。 たとえ遺伝子の発現障害とわかっても心の遺伝子障害を誕生後に治療する手段は極めて困難です。 将来妊娠中診断が可能になれば、Igf2供給などの治療法が開発される日が来るかもしれません。遺伝子発現が完成(誕生)してしまってからでは遅いのです。

  IQも肉体も正常なため、現代の定義する障害者には入らないため入る施設もないのです。親が亡くなったらどうなるのか?実は大問題なのです。



以上

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