15-18. 引きこもり等、成人後の強い不安の原因はエピジェネティクスの発現異常か?

  「Nature Communications」の2013年8月7日付オンライン版に、興味を引くレポートがありました。「成人後の強い不安の原因は妊娠中の胎盤内のホルモン不足か?」 と言った内容です。妊娠中の胎盤内で必要なインスリン様増殖因子2が不足すると、遺伝子を発現するためのエピジェネティクスが正常に働かなくなり、誕生し成人になった後で不安症になる、 という心の病気に関する報告です。

  当サイト「日本人のガラパゴス的民族性の起源」の主要テーマは「縄文系及び弥生系遺伝子」の啓蒙活動ですが、 「エピジェネティクス(後天的獲得形質遺伝による進化=新ラマルクの進化論)進化論」の啓蒙活動も行っています。

  もう一つ興味があるテーマに「社会恐怖症と引きこもり」があります。しかし当然ながら当サイトの趣旨には全く合わないためスルーしてきましたが、 最近のNatureの記事で遺伝子発現に影響される不安症が報告され、どうやらエピジェネティクスによる遺伝子発現がうまくいっていない例ではないかと考えられるため、 当サイトのエピジェネティクス啓蒙活動に合致すると考えられるために記事にしました。

  エピジェネティクス(後天的獲得形質遺伝)はラマルク進化論の新しい形とも言われています。当ガラパゴス史観で触れたエピジェネティクスは

  ・高緯度地適応形質
   滅びる寸前のネアンデルタール人との中東での交配で、ネアンデルタール人が出アフリカ後ユーラシア大陸で数十万年掛けて獲得した色白、彫深顔、赤毛・金髪、碧眼等の 高緯度地適応した獲得形質を(最先端の石器や種々の高度な文化も含め)一気に獲得できたエピジェネティクス。 大柄化はネアンデルタール人の食物連鎖の頂点捕食者化(肉食化)による獲得形質。 もしネアンデルタール人との遭遇・交配がなければたった2000人程度の絶滅危惧種として出アフリカしたホモサピエンスはまだ現代文明を築けていなかった可能性が大なのです。

  ・寒冷地・黄砂適応形質
   古住シベリア先住民が寒冷化したシベリアで生き抜くために獲得したフラットフェース、一重瞼、薄い体毛等々や黄河流域民が遭遇した黄砂の厳しい環境下で適応した フラットフェース、一重瞼などの同様の獲得形質。

  が特に民族論では重要です。

  ところが最近のNatureの論文でそもそも我々の遺伝情報が発現する際に、エピジェネティクスが働いておりエピジェネティクスが正常に働かなくなると 遺伝子発現異常に起因する症状が現れることがわかってきています。エピジェネティクスは「見かけの獲得形質」のようなレベルの事ではなく そもそも遺伝情報を正しく発現させるために生物が進化の過程で獲得してきた「システム」であることがわかりつつあります。

  生物の情報は全て遺伝子に書き込まれていますが、その情報が正しく発現されないと遺伝子が本来意図した生物にはならないことがわかります。 エピジェネティクスは複雑化した遺伝情報(設計図)を正しく発現し意図した生物に仕上げるために遺伝子が作った段取り・工程表なのです。

  そして本記事は、その段取り・工程表にどうやらミスが発生すると成人してから社会不安症等の不安症に成るのではないかと推測させるのです。 引きこもりの遠因ではないかと考えられるのです。今後の研究が必要ですが、重要なことは同性愛にしても自閉症にしても社会恐怖症にしても、 そもそも遺伝情報の発現が正しく行われなかったことが起因とする、と直す手段は残念ながら全くないと言うことです。心を形成する遺伝情報を誕生後に書き直す手段はないからです。

  という訳で、論文をご紹介します。
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Placental programming of anxiety in adulthood revealed by Igf2-null models

Mikael Allan Mikaelsson, Miguel Constancia, Claire L. Dent, Lawrence S. Wilkinson & Trevor Humby

Imprinted, maternally silenced insulin-like growth factor-2 is expressed in both the foetus and placenta and has been shown to have roles in foetal and placental development in animal models. Here we compared mice engineered to be null for the placenta-specific P0 transcript (insulin-like growth factor-2-P0 KO) to mice with disruptions of all four insulin-like growth factor-2 transcripts, and therefore null for insulin-like growth factor-2 in both placenta and foetus (insulin-like growth factor-2-total KO). Both models lead to intrauterine growth restriction but dissociate between a situation where there is an imbalance between foetal demand and placental supply of nutrients (the insulin-like growth factor-2-P0 KO) and one where demand and supply is more balanced (the insulin-like growth factor-2-total KO). Increased reactivity to anxiety-provoking stimuli is manifested later in life only in those animals where there is a mismatch between placental supply and foetal demand for nutrients during gestation. Our findings further distinguish placental dysfunction from intrauterine growth restriction and reveal a role for the placenta in long-term programming of emotional behaviour.
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Nature Communicationsの紹介記事です。

  哺乳類の仔は、子宮内での発生期に特定のホルモンが欠乏すると、成体になってから、より強く不安を感じることがわかった。

  この新知見は、情動行動の長期的プログラミングにおける胎盤の役割に関して新たな手がかりをもたらしている。

  インスリン様増殖因子2は、哺乳類の胎仔と胎盤の発生で大きな役割を果たすことが明らかになっており、胎盤と胎仔における発現の変化が、子宮内での発育不全に関係すると考えられている。

  子宮内発育不全は、新生仔の発育に影響することが知られているが、その長期的影響は十分に解明されていない。

  今回、Lawrence Wilkinsonたちは、胎盤においてのみインスリン様増殖因子2が欠乏していたマウスの成体期の行動を調べた。 その結果、このマウスの不安に関連する行動的形質が増強されており、これに伴って、この種の行動に関連する脳の遺伝子発現に特異な変化が見られた。

  今回は、マウスを用いた研究だったが、これによって得られた知見は、ヒトの発生にさらに幅広いかかわりをもつ可能性がある。

  ただし、この新知見が妥当する範囲を判断するには、さらなる研究が必要となる。

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  カーディフ大学のニュースセンターの紹介記事のタイトルは「Adult behaviour triggered in the womb?」です。 つまり成人の振る舞いは既に子宮の中で起きており(胎盤のプログラミングと言うらしい)、インスリン様成長因子(insulin-like growth factor-2:Igf2)である ホルモンが胎盤内で不足すると脳遺伝子の発現に変異が起り成人後のメンタルヘルスに障害が生じる、という説明です。

  「社会恐怖症・引きこもり」は全く原因がつかめていません。専門家と称する医者や研究者は多いのですが一般的にはまだ病気とは認知されておらず、 未だ単なる「さぼり」として言われる場合が多いのです。従って専門外来もなく、精神科、心療内科等々近傍の分野に掛け込み結局何も解決せず親も 子供も年老いてゆくのです。一部の熱心なカウンセラーの方々も原因がわからないため経験則しか持ち合せていないのです。

  わかっていることは、この「病気」は治ることはない、社会で働くことはかなり難しく、良くても専門家の主宰するクリニックや施設内でひっそりと過ごすのが精一杯です。 たとえ遺伝子の発現障害とわかっても心の遺伝子障害を誕生後に治療する手段は極めて困難です。 将来妊娠中診断が可能になれば、Igf2供給などの治療法が開発される日が来るかもしれません。遺伝子発現が完成(誕生)してしまってからでは遅いのです。

  IQも肉体も正常なため、現代の定義する障害者には入らないため入る施設もないのです。親が亡くなったらどうなるのか?実は大問題なのです。



以上

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17-6. エピジェネティクスの研究で同性愛の遺伝突き止める!

  Quarterly Review of Biology誌の12月11日号に、このガラパゴス史観でも取り上げているエピジェネティクス(後天的獲得形質=新ラマルクの進化論)のアプローチで 何と同性愛になるメカニズムが付きとめられたのだそうです。BioQuickニュースの紹介記事と併せご紹介します。
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AHomosexuality as a Consequence of Epigenetically Canalized Sexual Development

The Quarterly Review of Biology Vol. 87, No. 4, December 2012

William R. Rice, Urban Friberg and Sergey Gavrilets
Department of Ecology, Evolution and Marine Biology, University of California Santa Barbara, California 93106 USA

Abstract

Male and female homosexuality have substantial prevalence in humans. Pedigree and twin studies indicate that homosexuality has substantial heritability in both sexes, yet concordance between identical twins is low and molecular studies have failed to find associated DNA markers. This paradoxical pattern calls for an explanation. We use published data on fetal androgen signaling and gene regulation via nongenetic changes in DNA packaging (epigenetics) to develop a new model for homosexuality. It is well established that fetal androgen signaling strongly influences sexual development. We show that an unappreciated feature of this process is reduced androgen sensitivity in XX fetuses and enhanced sensitivity in XY fetuses, and that this difference is most feasibly caused by numerous sex-specific epigenetic modifications (“epi-marks”) originating in embryonic stem cells. These epi-marks buffer XX fetuses from masculinization due to excess fetal androgen exposure and similarly buffer XY fetuses from androgen underexposure. Extant data indicates that individual epi-marks influence some but not other sexually dimorphic traits, vary in strength across individuals, and are produced during ontogeny and erased between generations. Those that escape erasure will steer development of the sexual phenotypes they influence in a gonad-discordant direction in opposite sex offspring, mosaically feminizing XY offspring and masculinizing XX offspring. Such sex-specific epi-marks are sexually antagonistic (SA-epi-marks) because they canalize sexual development in the parent that produced them, but contribute to gonad-trait discordances in opposite-sex offspring when unerased. In this model, homosexuality occurs when stronger-than-average SA-epi-marks (influencing sexual preference) from an opposite-sex parent escape erasure and are then paired with a weaker-than-average de novo sex-specific epi-marks produced in opposite-sex offspring. Our model predicts that homosexuality is part of a wider phenomenon in which recently evolved androgen-influenced traits commonly display gonad-trait discordances at substantial frequency, and that the molecular feature underlying most homosexuality is not DNA polymorphism(s), but epi-marks that evolved to canalize sexual dimorphic development that sometimes carryover across generations and contribute to gonad-trait discordances in opposite-sex descendants.
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  BioQuickニュースの紹介記事です。

  "エピジェネティクスの研究で同性愛の遺伝突き止める 2013-1-23 8:00 "

  同性愛が遺伝的なものであることは知られていたが、なぜどのようにして遺伝するのかが分からなかった。しかし、エピジェネティクスの研究で、エピマークと呼ばれる、 遺伝子の発現を制御する一時的遺伝子スイッチが、同性愛の発生に大きく関わっていながらこれまで見過ごされてきたという説が発表された。 2012年12月11日付「Quarterly Review of Biology」オンライン版に掲載された研究論文は、性に関わるエピマークは通常は世代間で遺伝せず、 従って、世代ごとに「消去」されるはずだが、間違って消去されずに父から娘に、または母から息子に遺伝してしまうと同性愛になるのではないかとしている。

  進化論の立場から言うと、同性愛の遺伝はダーウィンの自然淘汰の原則からはずれ、成長することも生き残ることもできないはずだが、 同性愛そのものはほとんどどの文化の男または女の間でごく一般的に見られる。また、これまでの研究で、同性愛者が多く生まれる家族があることが判明しており、 性的嗜好を決める遺伝子があるものと考えられてきた。

  ところが、同性愛の遺伝学的関係を探す研究が数多くなされてきたにもかかわらず、同性愛の遺伝子として主要なものがまだ見つかっていない。 現在の研究では、National Institute for Mathematical and Biological Synthesis (NIMBioS、国立数学・生物学統合研究所) のゲノム内コンフリクト研究作業グループの研究者が、 進化論に、遺伝子発現の分子調節研究やアンドロゲン依存性性分化研究の最近の成果を統合することで同性愛の発生におけるエピジェネティクスの役割を説明する生物数理的モデルを創りあげた。

  エピマークは遺伝子の骨格に添付された情報の層ともいうべきもので、これが遺伝子の発現を制御する。遺伝子には命令情報が書き込まれているが、エピマークは、 この命令情報をどのようにして実行するか、成長の過程で、いつ、どこで、どこまで遺伝子が発現するかを決定する。

  通常、エピマークは親から子に受け継がれず、世代ごとに新しくつくり出されるが、最近の研究で、時たま世代間で受け継がれてしまうことが突き止められている。 近親者間の形質の類似性が共通する遺伝子によるものであるのと同じように、共通するエピマークによるものという場合もあることになる。 胎児の発育初期に作られる性特有のエピマークは、その後の性分化時に母体内のテストステロン量の自然的な変動が大きくなってもその影響を受けないように守る働きがある。

  性特有のエピマークは、胎児が女の子の場合には、母体のテストステロン量が異常に高くなっても男性化することを防ぎ、胎児が男の子の場合には、その逆で、 テストステロン量が異常に低くなっても女性化することを防いでいる。異なるエピマークが胎児の異なる性的特徴の男性化や女性化を防いでおり、 あるエピマークは生殖器を制御し、あるエピマークは性同一性を、あるエピマークは性的対象の好みを制御する。

  ところが、エピマークが父から娘に、あるいは母から息子に受け継がれてしまうと逆の結果になってしまう。息子の性的対象の好みなど一部の性的特徴が女性化してしまい、 同じように娘の場合にも一部の性的特徴が男性化してしまうことになる。この研究は同性愛の進化論的な謎を解いている。 通常、胎児の発育期に、性ホルモン量が自然に変動する影響から守るはずの「性的拮抗」エピマークが消去されずに世代間に受け継がれてしまうと異性の子が同性愛者になるのである。

  この数理的モデルで、このようなエピマークの遺伝子コーディングが容易に人口の間に広まることが実証された。 なぜなら、そうすることで子供を作る適応度が高まるが、そのエピマークが消去されずに子供に受け継がれ、子供の適応度が損なわれるケースはめったにないからである。

     "この研究論文の共同執筆者で、NIMBioSの科学活動アソシエート・ディレクターとテネシー大学ノックスビル校教授を兼任するSergey Gavrilets博士は、 「性的拮抗エピマークの世代間伝達は、人の同性愛という現象を進化論の機序で説明する説得力のある説だ」と述べている。
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  *ガラパゴス史観注:

     この記事の意味するところはかなり奥が深いです。最新の進化論から当ガラパゴス史観は進化の要因として4つ目にエピジェネティクスを挙げていました。 そしてエピジェネティクスは遺伝子そのものが変異するのではなく遺伝子の発現の仕方が変化し、その変化が遺伝する、というものでした。 例えば色白とか赤毛・碧眼、高身長、彫深顔等はネアンデルタール人がヨーロッパ大陸やアジア大陸で数十万年かけて獲得していた高緯度地適応の後天的獲得形質を 交配で一気に獲得した形質、一重瞼やフラットフェースはシベリアの寒冷地や黄砂の悪環境下でホモサピエンスが後天的に獲得した形質です。

  つまりエピジェネティクス(後天的獲得形質)は遺伝するのですが、性に関するエピジェネティクスは本来遺伝せずに一代限りで消滅し次世代で新たに発現するはずのものだそうです。 ところが消滅せずに受け継がれてしまうというという予測しないことが起き「父親から娘」或いは「母親から息子」に受け継がれてしまうと「娘は女性が性の対象になり」 「息子は男性が性の対象になる」のだそうです。しかも家系的に出やすいということは「遺伝する」と言うことです。

  またエピマークによっては性同一性を制御しているらしいので、このエピマークに問題が起れば性同一性障害を引き起こす要因の一つになるのでしょう。

  さらにこの研究結果の「性特有のエピマークは、胎児が女の子の場合には、母体のテストステロン量が異常に高くなっても男性化することを防ぎ、 胎児が男の子の場合には......」から容易に推察できることは、母体のテストステロン(男性ホルモン)が増えても性別や外観の男性化は防げるのだが、 心の男性化は防ぐことはできないようなのです。つまり性同一性障害が生じるのです。性別や外観は女性でも心は男性になるのです、 そして当然逆の場合もあるのです。そこまで行かなくても当然ながら男まさりの肉食系の女性、草食系の男性になり易いということです。これは非常に納得できます。

  最近の肉食系女性の増加、草食系男子の増加は、何らかの環境因子やストレス因子が働き遺伝子の発現をコントロールするエピジェネティクスに異常が多くなっているのかもしれませんね。

  昔習った性の分化の要因では、

  ・精子の段階で既にオスメスがありオス型精子が受精すれば男になりメス型精子が受精
   すれば女性になるのだが、それは外見だけで、
  ・誕生後幼児期と
  ・思春期に正しく分化が行われないと内面の分化が完成しない、
  というものでした。この誕生後の分化をコントロールするのがエピジェネティクスだとすると非常に納得できますが、 問題はエピジェネティクスは獲得形質なので定義ではコントロール機構は遺伝するはずなのです。

  ところが性分化に関するエピマークは受け継がれない、つまり遺伝しない、ということなので不思議なのですが、家系的に同性愛が出現することがわかっているということは、 「コントロール機能の異常化」というエピジェネティクスが遺伝する、と考えれば納得できそうです。

  いずれにしても当人の苦悩は相当なものでしょう。人間はどうしても外見でほとんどの判断をするように進化してきた動物なので、 見かけと違うことに異和感を持ってしまうのです。将来異常なエピジェネティクスを逆にコントロールすることが出来るようになる日が来るかもしれませんが、 ips細胞でも性の分化の内面の問題には対処できないでしょう。

  このテーマは同性愛大国アメリカのオバマ大統領が2期目の就任演説であえて触れたようにあまりに奥が深すぎるのでここまでです。

  しかしエピジェネティクスが進化要因になるだけでなく、このような性に関する深刻な問題を引き起こすことがあると言うことは驚きでした。

以上
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17-13. 父親の肥満は子供に負の相続財産となるかもしれない!

  アメリカのCELL誌のMethabolism編に、父親の肥満は子供の肥満や自閉症を引き起こす可能性があることを示唆する論文が掲載されました。 掲載されたのは昨年暮れで、原著を読んでも内容が難しくよくわからなかったのですが、BioQuickニュースで紹介記事が掲載され 当ガラパゴス史観の注目しているエピジェネティクス関連のかなり重要な内容であることがやっとわかりましたので当記事にしました。
  学会や健康関連分野、障害分野で徐々にこの論文が実は極めて重大な画期的なものではないかと注目され始めています。
  つまり肥満は「負の相続財産」になるのだそうです。特に肥満気味の方は心してお読みください。

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Obesity and Bariatric Surgery Drive Epigenetic Variation of Spermatozoa in Humans

Ida Donkin, Soetkin Versteyhe,Lars?R.Ingerslev, Kui Qian, Mie Mechta, Loa Nordkap, Brynjulf Mortensen, Emil?Vincent?R.Appel, Niels Jorgensen, Viggo?B. Kristiansen, Torben Hansen, Christopher?T. Workman, Juleen?R. Zierath and Romain Barres

Published: December 3, 2015

Highlights

・Distinct sncRNA expression and DNA methylation profiles in sperm from obese humans.
・Differentially methylated genes are related to brain function.
・The spermatozoal epigenome is dynamically remodeled after bariatric surgery.
・Differential methylation clusters with known SNPs of obesity.

Summary

 Obesity is a heritable disorder, with children of obese fathers at higher risk of developing obesity.
 Environmental factors epigenetically influence somatic tissues, but the contribution of these factors to the establishment of epigenetic patterns in human gametes is unknown.
 Here, we hypothesized that weight loss remodels the epigenetic signature of spermatozoa in human obesity.
 Comprehensive profiling of the epigenome of sperm from lean and obese men showed similar histone positioning, but small non-coding RNA expression and DNA methylation patterns were markedly different.
 In a separate cohort of morbidly obese men, surgery-induced weight loss was associated with a dramatic remodeling of sperm DNA methylation, notably at genetic locations implicated in the central control of appetite.
 Our data provide evidence that the epigenome of human spermatozoa dynamically changes under environmental pressure and offers insight into how obesity may propagate metabolic dysfunction to the next generation.

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和訳する元気が出ないので、機械約を載せます。悪しからず。

肥満と胃バイパス手術は、人間で精子のエピジェネティック(後成的)な変化をドライブします。

ハイライト

・太りすぎの人間からの精子の異なったsncRNA表現とDNAメチル化プロフィール。
・差別的にメチル化された遺伝子は、脳機能に関連があります。
・精子エピゲノムは、胃バイパス手術の後ダイナミックに改造されます。
・差別的なメチル化は、肥満の既知のSNPで集まります。

要約

  肥満を現すより大きな危険の太りすぎの父の子供たちと、肥満は「相続される障害」です。
  環境要因は身体の組織に後成的に影響します、しかし、人間の配偶子の後成的なパターンの設立へのこれらの要因の貢献は知られていません。
  ここでは、体重減少が人間の肥満で精子の後成的なサインを改造すると、我々は仮定しました。
  やせて太りすぎの男性からの精子のエピゲノムの広範囲のプロファイリングは類似したヒストン位置決めを示しました、 しかし、小さな非翻訳RNA表現とDNAメチル化パターンは著しく異なりました。
  病的に太りすぎの男性の別々の一団において、特に食欲の中心制御に関係する遺伝子の場所で、 手術によって誘発された体重減少は、精子DNAメチル化の劇的なリモデリングと関係していました。
  人間の精子のエピゲノムがダイナミックに環境圧力の下で変わって、肥満が次世代に代謝性機能障害を伝播するかもしれない方法に対する 洞察を提供するという証拠を、我々のデータは提供します。
以下、BioQuickニュースの日本語版の紹介記事です。
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肥満は精子にエピジェネティックな変化を引き起こすことが判明

  人間を対象とした研究で、男性の肥満が精子のエピゲノムをダイナミックに変化させ、その変化が子供に遺伝し、次世代の代謝に深刻かつ長期的な影響を残す可能性が最近の研究で示唆されている。 複数の小部分に分かれるこの研究では、特に痩せ型と肥満型の父親の場合では精子のsmall ncRNA (non-coding RNA)の発現に大きな違いがあることを初めて示した。 このsmall ncRNAは、RNAのサブタイプで、エピジェネティックな遺伝への関わりが強く示されている。
  もう少し具体的に言うと、piRNA (piwi-interacting RNA)と呼ばれるsmall ncRNAのあるサブタイプは、痩せ型と肥満型の男性では発現が異なることが突き止められたのである。 piRNAは、主として生殖系で発現し、反復配列を抑制することでゲノムの安定性を維持したり、コード遺伝子の発現を調節したりなどの基本的な役割で知られている。 エピジェネティックな遺伝におけるpiRNAの役割については過去にショウジョウバエの研究で示されている。

  今回の研究では、痩せ型と肥満型の男性で発現が異なるpiRNAのターゲット予測で、 「Chromosome」や「Chromatin」などの用語や「Chemdependancy」のような遺伝子アノテーション用語に対してbest enrichment scoreを示す遺伝子を拾い出した。 特に、肥満に関わる摂食調節物質であるコカイン・アンフェタミン調節転写産物 (CART) が、肥満型男性では発現が異なっていた。 研究のこの部分の結果から、同研究チームは、「このような変化を受けたpiRNAの発現が、それに合わせて、行動や摂食に関わる遺伝子の発現を修正し、子供の肥満的傾向を引き起こすのではないか」と 推定している。
  研究のもう一つの部分で、病的肥満型の男性が手術で減量した場合、精子DNAのメチル化の劇的な初期化を伴っており、特に食欲の中枢制御によって示される遺伝子座でその変化が顕著である。
  このDNAメチル化というのはゲノムのエピジェネティックな変化のメカニズムの一つである。さらに、エピジェネティックな変化の3つめのメカニズムであるヒストン・ポジショニングには変化は 見られなかった。

環境圧力による劇的かつ遺伝性のエピジェネティックな変化

  上のような実験結果から、研究チームは、「私達の研究データは、ヒトの精子のエピゲノムが環境圧力によって動的に変化する証拠を示しており、 肥満が代謝機能不全を次世代にまで伝達する仕組みを理解する手がかりになっている」と結論している。

自閉症との関連の可能性

  さらに研究チームの報告で非常に示唆的なのは、研究で突き止められたエピジェネティクスの変化と自閉症スペクトラム障害 (ASD) との間に関連が認められるということだった。 研究チームが、痩せ型と肥満型でCpGsのメチル化が異なることを突き止めた遺伝子のGO (遺伝子オントロジー) 解析を行ったところ、「nervous system development」の用語について有意な濃縮を示した。
  また、この結果の統計的有意性はかなり大きいと述べている。また、この研究で274種の遺伝子のリストから食欲をコントロールする主要制御因子をいくつか突き止めた。 そのような遺伝子として、メラノコルチン4受容体 (MC4R)、脳由来神経栄養因子 (BDNF)、神経ペプチド Y (NPY)、カンナビノイド1型受容体 (CR1)、CARTなどの他、 脂肪量と肥満に関連する遺伝子 (FTO)、炭水化物スルフォトランスフェラーゼ8 (CHST8)、SH2ドメイン含有タンパク質1 (SH2B1)など、肥満、代謝関係の遺伝子がある。
  研究論文は、「これらの結果から、CNSや代謝の機能を司る遺伝子のエピジェニック・マークの特異リモデリングが考えられる。 このような結果は、最近の研究で、ヒトの始原生殖細胞中の神経障害や代謝に関わる遺伝子が脱メチル反応を受けないことが示されたことと一致する。 このことから、ゲノムの特定領域、特にCNSと代謝機能調節が交差する位置の遺伝子が配偶子のエピジェネティックな変動のホットスポットになっていることが推測される」と述べており、 自閉症スペクトル障害 (ASD) との関連が考えられることについては、「肥満の男性の子供は肥満のリスクだけでなく、ASDのリスクも高まる」と述べている。
  そのことから、研究チームは、自分たちの研究結果を、ASDと診断された幼児を持つ父親の精子ではDNAのメチル化変動が見られるという最近の研究報告と比較検討し、 「ASD発症リスクのエンリッチメントが見られたコホートでのDNAメチル化変動は、CNS発達を調節する遺伝子でも際だってエンリッチメントが見られた」と述べ、 さらに、「特に、痩せ型/肥満型コホートでのメチル化の異なる遺伝子と、以前の研究で挙げられているASDリスク増大コホートでのメチル化の異なる遺伝子との間にかなりのオーバーラップがある」と 報告している。 また、この研究チームは、「これらの研究結果は、肥満男性の精子ではCNSを調節する遺伝子のエピジェネティックな初期化が行われ、 その子供の社会的行動、食餌行動に変化をもたらしているのではないかという考えを裏付けている」と述べている。

この研究に関する追加詳細情報

  非常に挑発的であり、同時に画期的なものになる可能性を持つこの研究は2015年12月6日付Cell Metabolismオンライン版に掲載され、 「Obesity and Bariatric Surgery Drive Epigenetic Variation in Human Spermatozoa (肥満や肥満外科手術でヒトの精子にエピジェネティックな変動)」と題されている。
  また、この研究は、デンマークのUniversity of Copenhagen, Novo Nordisk Foundation Center for Basic Metabolic Researchの研究チームが中心になって行い、 筆頭著者と責任著者を務めた准教授、Romain Barres, Ph.D.の研究室の研究チームは、痩せ型男性13人、肥満型男性10人の精子細胞を比較し、 痩せ型と肥満型ではその細胞がそれぞれ異なるエピジェネティック・マークを持っており、その違いが次世代の食欲を変化させる可能性を突き止めた。

胃バイパス手術でエピジェネティクスが劇的に変化

  先に述べたように、この研究のもう一つの重要な発見は、減量の有効な手段である胃バイパス手術を受けた6人の男性の手術前と手術後1年経過してからの精子細胞を調べ、 手術によってエピジェネティック情報がどのような影響を受けたかを調べた結果、得られた。その調査で、手術前、手術直後、 1年経過後では精子細胞のDNAに4,000箇所に及ぶ構造的変化が見られた。Dr. Barresは、「このような違いの意味をさらに調べなければならないということは確かだが、 精子が男性の体重の情報を持っていることの証拠と考えられる。また、男性の体重が減れば、その後生まれてくる子供達の食餌行動にも影響する可能性を示唆している」と述べている。

栄養的ストレスが遺伝的リスクを高める可能性

  Dr. Barresは、「過去の疫学的研究で、ある世代が飢餓など栄養的ストレスを経験すると次の世代の糖尿病発症リスクが高まることが明らかになっている」と述べている。 さらに、スエーデンの寒村で飢饉時の食物の供給量と、孫の代の心血管代謝疾患発症リスクとの間に相関性が見られたという研究も引用している。 その研究では、孫の代の健康状態は、ヒストン・ポジショニング、DNAメチル化、small ncRNAの発現などに影響する特定のエピジェネティック・マークを持つ、先祖の配偶子の影響を受ける可能性が 高いことが突き止められている。 エピジェネティック・マークは遺伝子の発現を調節できるもので、そのことは昆虫や齧歯類の子供の場合にもその健康に影響することが示されている。 Dr. Barresは、「環境圧力によってエピジェネティック情報にそのような重大な変化があるとは予想もしていなかった」と述べている。

画期的な研究になる可能性

  さらに、Dr. Barresは、「個人の栄養状態など生活習慣や環境的要因が配偶子の情報を形づくり、それによって次世代の摂食行動を変えることを突き止めたのは重大な発見だと思う」と述べている。 この研究を、肥満問題に引き寄せて考えた場合、つまり、世界的に問題になっており、遺伝性があり、かつ摂食や身体活動など環境条件に影響されやすい代謝障害の問題に引き寄せて考えた場合、 父親になる男性の減量で生まれてくる子供の摂食行動を変えられる可能性を突き止めたというのは画期的なことである。

影響の大きい受胎前の父親の健康

  Cell Metabolism掲載の研究論文の共同第一著者の一人、Ida Donkin, M.D.は、「肥満体の父親の子供は、母親の体重とは関わりなく、成長して肥満体になる傾向があるということが明らかになった。 これは受胎前に父親になる男性の健康に注意しなければならないという重要な情報であり、同時に、社会一般に向けて広めていかなければならない情報でもある」と述べている。

改善できる受胎前の生活習慣要因

  もう一人の第一著者である、Soetkin Versteyhe, Ph.D.は、「この研究で、受胎前の親の生活習慣要因、特に食習慣の大切さに対する認識が高まった。 受胎前の親の食習慣や身体活動の程度が将来の子供達の健康や発育にとってとても重要なのかも知れない」と述べている。 かつては不可避とみなされていた遺伝的な素質が改変可能と実証される可能性もあり、日々の生活での行動が自分達の健康だけでなく、子や孫の健康にまで影響を及ぼしているのかも知れない。 この研究は、肥満などの障害を未来の世代に受け継がせないために可能な介入手段を探る新しい道を開いたと言える。

以上
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