15-22. 人類の顔が千差万別なのは識別適応"エピジェネティクス"の結果だったようだ

  「Nature communications」の2014年9月16日、「人類の顔が千差万別なのは識別適応「エピジェネティクス」だったらしい」ことが報告されました。

  難解な内容で読みなれている単語とかなり違うため、理解に苦しみましたが、カリフォルニア大学や他のサイエンス系ニュースの紹介記事を読んで、 やっと何とかわかってきましたのでご紹介します。興味のある方は直接論文にアタックするより紹介記事を読むことから進めると理解し易いと思います。

  何故人間種の顔は他の動物種よりも変化に富んでいて、誰が誰だか簡単に特定・識別できるようになっているのか、そこに着眼した研究者がいたようです。 そして人間の様々な外形部位を解析した結果、人類の顔は集団の中で誰が誰だか簡単に認知出来るように変化・進化をしてきた、 つまりエピジェネティクス(後天的獲得形質)であった、と言う事がわかったと言うものです

  という訳で、Nature CommunicationsのAbstructをご紹介します。
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Morphological and population genomic evidence that human faces have evolved to signal individual identity

Nature Communications 5, 4800, Published 16 September 2014, doi:10.1038/ncomms5800
Michael J. Sheehan & Michael W. Nachman

Abstract

  Facial recognition plays a key role in human interactions, and there has been great interest in understanding the evolution of human abilities for individual recognition and tracking social relationships.
  Individual recognition requires sufficient cognitive abilities and phenotypic diversity within a population for discrimination to be possible.
  Despite the importance of facial recognition in humans, the evolution of facial identity has received little attention.
  Here we demonstrate that faces evolved to signal individual identity under negative frequency-dependent selection.
  Faces show elevated phenotypic variation and lower between-trait correlations compared with other traits.
  Regions surrounding face-associated single nucleotide polymorphisms show elevated diversity consistent with frequency-dependent selection.
  Genetic variation maintained by identity signalling tends to be shared across populations and, for some loci, predates the origin of Homo sapiens.
  Studies of human social evolution tend to emphasize cognitive adaptations, but we show that social evolution has shaped patterns of human phenotypic and genetic diversity as well.

人間の顔は、個々が本人であることを識別するシグナルとして進化してきたと言う形態学的なそして集団遺伝学的な証拠

  顔認識は人間の相互作用でキーとなる役割を演じます、そして個々の識別と社会的な関係の道筋のための人間の能力の進化を理解する事に非常に興味がありました。
  個々の識別は、識別が可能な集団内で、十分な認識能力と表現型多様性を必要とします。
  人間の顔認識の重要性にもかかわらず、顔のアイデンティティの進化は、ほとんど注目されてきませんでした。
  我々はここで顔が、否定的な頻度依存的な選択のもとで、個々を特定するシグナルとして進化してきたことを証明します。
  顔は高い表現型バリエーションを示すとともに、他の特徴と比較して特徴間の低い相関性を示します。
  顔に関連する一塩基変異多型が存在する領域は、頻度依存的な選択と一致した高い多様性を示します。
  アイデンティティのシグナルによって維持される遺伝学的な変異は集団全体で共有される傾向があり、いくつかの領域部分はホモ・サピエンスの起源に先行しています。
  人類の社会的な進化の研究は、識別適応を強調する傾向にあります。しかし我々は社会的進化は人間の表現型のパターンと遺伝学的な多様性も同様に形成してきたことを示します。

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カリフォルニア大学ニュースの9月16日の解説記事をご紹介します。訳は難しかったので今まで以上に下手くそです。

我々は各自がユニークに見えるように進化してきたので、人間の顔は非常に変化し易いのです。

  カリフォルニア大学バークレー校(科学者)による最近の研究によれば、人間の顔−−大部分の他の動物よりはるかに大きな−−の驚くべき多様性は、 私たち一人一人をユニークで簡単に認識可能にする進化の圧力の結果です。
  "私たちの非常に視覚的な社会的相互関係は、ほとんど間違いなくこの進化的傾向の牽引役であると、カリフォルニア大学バークレー校の脊椎動物博物館の行動生態学者である 博士研究員のマイケルJ.シーハンが言いました。 "
  "多くの動物は個々を特定するために、特に日が暮れてから歩き回る動物のために、特有な顔の造作を些細にして、嗅覚または発声を使うと、シーハンは言いました。 しかし人間は異なります。"
  「人間は、顔の認識が驚異的に上手です; 「そのために脳の一部が専門化されています」とシーハンは言いました。
  「私たちの研究は、人間が、ユニークでかつ簡単に認識できるために選ばれた存在であることを今、示します。」
  他人を認識できることは私にとって有益です。そして自分を(他人に)認識してもらえることもまた有益です。
  "「さもなければ、私たちは皆もっと似ているように見えるでしょう。」 "
  "社会的相互作用は我々の個々の識別可能性を促進し結果として選別へ導いたかもしれないという考えは、人間の社会的な構造は我々がどのように見えるかという進化を ドライヴしたことを意味しています。と共同執筆者の集団遺伝学者で統合生物学の教授でりカリフォルニア大学バークレー脊椎動物博物館の館長であるマイケル・ナフマンが言いました。 "
  "研究が9月16日にオンライン・ジャーナル、ネイチャーコミュニケーションズに掲載されるでしょう。 "
  "本研究で、シーアンは言いました。「我々は問いました、『眉間の距離のような特徴または鼻の幅が、ちょうど偶然に変化します、または、さもなければ彼らがそうであるより、 変化する進化的選択が、あります;、 より特徴的でよりユニークな?』」 "
  予測されたように、顔の特徴が他の身体の特徴(例えば手の長さ)より非常に変化やすく、そして、顔のある特徴が顔の他の特徴から(大部分の身体の測定値と違って) 独立していることを、研究者は発見しました。
  例えば長めの腕の人は脚も長いのですが、幅広の鼻とか目が離れているような人が長い鼻を持っているわけではありません。
  "両方の調査結果は、顔の変化が進化を通して強化されたことを示唆しています。 "
  最終的に、彼らは世界中の人々の遺伝子を比較し、そして遺伝子の他の部位よりも顔の特徴をコントロールしている遺伝子の部位中でより遺伝的な変異を見つけました。 それは変化は進化的に有利であるというサインです。
  3つの予測は全て当たりました。つまり、顔の特徴は他の特徴よりもより変化しやすくより相関が低いのです。そして彼らの基礎になる遺伝子はより高次な変化のレベルを示します。 とナフマンは言いました。
  「ゲノムの多くの領域が顔の特徴に寄与するので、あなたは遺伝的変異がとらえがたいと期待しているでしょう、そしてその通りです。しかしそれは首尾一貫していて統計的に有意です。」

軍隊データの使用

  "シーハンは、1988年に男性・女性の人員からコンパイルされた身体測定の米国軍隊データベースのおかげで、人間の顔の変わりやすさを評価することができました。 "
  ユニフォームと防護服から車両とワークステーションまですべてを設計して、大きさを設定するのに、軍隊の人体計測サーベイ(ANSUR)データは使用されます。
  ヨーロッパ系アメリカ人とアフリカ系アメリカ人の顔の特徴 、例えば、額-あご距離、耳の高さ、鼻の幅と、瞳の間隔、と身体の他の特徴、前腕長、ウエストの高さなど 、 との統計学的比較は顔の特徴が平均して他より変化に富むことを示しました。
  最も変化に富む特徴は、目、口と鼻の三角形の範囲内です。
  1000のゲノムプロジェクトによって集められたデータに、シーアンとナフマンもアクセスしました。そして、それは2008年以降1000のヒトゲノムを配列して、世界中の人たちの ほぼ4000万の遺伝的変異のカタログを作りました。
  顔の形を決定すると確認されたヒトゲノムの領域を見て、彼らは特徴をもたらす変異よりはるかに多い数の変異、例えば高さのような、を見つけましたが、顔を含んでいないのを発見しました。

有史以前の起源

  「遺伝的変異は、生き残りにとって必須である特徴の場合自然淘汰によって除かれる傾向があります」と、Nachmanは言いました。
  「ここではそれは正反対です; 選択は変化を維持しています。
  選択が個々の認知を容易にする変化のために選別があったという考えと、これの全ては一致しています。」
  彼らは更にヒトゲノムと最近配列決定されたネアンデルタール人とデニソワ人のゲノムと比較して、類似した遺伝的変異を見つけました。それはホモサピエンスの顔の変化が これらの異なる血統の人類が分化する前に既に起源を持っていたに違いないことを示します。
  「明らかに、我々は多くの特徴、 たとえば背の高さや歩き方、によって個々を認知します、しかし、我々の調査結果は「顔」が人々を認知する支配的な方法であると主張します」と、 シーアンは言いました。
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  *ガラパゴス史観注:

  犬は動物の中で人間同様に顔も身体の大きさも格好も犬種によってかなり違う動物種になりますが、互いに交配が出来ることで分類学上は全体で「一種」であることがわかります。
  ところが同一犬種内では顔はほとんど同じなのです。我が家の愛犬は他の同じ犬種の犬とは顔つきが若干違うため、近所の公園で同じ犬種が集まっても自分では容易に識別出来ますが、 他の犬種の飼い主からの識別はほぼ無理です。
  一般に比較的長い期間育てている飼い主しか識別は出来ず、飼い始めたばかりの飼い主にとっては、何匹かの同一犬種の中で自分に寄ってくる犬がやっと自分の飼犬とわかるぐらい、 同一犬種の顔は実際ほとんど「同じ」なのです。
  これは進化の過程でそうなったのではなく、人類による犬種改良の結果、ケンネルクラブが定義する犬種条件に当てはまるよう、当てはまらない個体を人為的に排除してきた結果に 過ぎないのです。

  我が家のシーズー犬はチベット原産のラサアプソとペキニーズの交配でライオンに似るように交配改良された犬種で、身体条件が細かく規定されているため当然同一犬種の犬は そっくりさんばかりなのですが、
  ヨーロッパはペキニーズとの交配を多くし顔ペチャのロンパリ目で背中が反った外観を好みますが、アメリカはペキニーズとの交配を弱くしやや鼻が高く目も中心に集まって より人間臭い顔立ちになり、背筋も伸びています。
  このため同じシーズー犬種でありながら、経験の少ない人でも一度教えられると次からは見分けがつくくらい違うのです。これは「交配」というマジックがなせる結果です。

  ところが人類は全体でホモサピエンス「一種」であるにも関わらず、昔から手配に人相書きが有効なくらい、顔は人それぞれ違うのです。しかしこれに集団遺伝学的な意味があるとは、 しかもエピジェネティクスとは、この論文を読むまで考えたこともありませんでした。

  身体データを計測、解析した結果、「」に関するデータのみが他の身体部位との相関が低く、顔内の目、口と鼻の三角形データは多様性が極めて高く、 人を識別するには絶好の部位であることが分かったそうです。
  世の中には似た人が何人かはいるそうですが、それでもそのような人が遭遇する機会は滅多にないので、顔の「識別適応」による進化恐るべしです。

  恐らくネアンデルタール人との交配が「顔の多様性」を更に高度にしたと考えられます。出アフリカした当時は色黒のジャガイモ顔のネグリートに過ぎなかったホモサピエンスが、
  出アフリカして少なくとも30万年以上ヨーロッパ大陸やユーラシアで先進文化・技術を持ち高緯度地適応を遂げていた色白・彫深顔で高身長だったネアンデルタール人と交配したことで、
  ホモサピエンスは本来獲得に数10万年は掛かる高緯度地適応を一気に獲得し多様性が一気に高度になったのでしょう。

  極東アジア系はその後シベリアの寒冷地適応や黄砂適応を経験し折角手に入れた彫深顔を捨てて、フラットな顔に再度変化を遂げました。 この「フラット顔適応」はかなり強固で欧米系から見ると皆同じような個性のない顔に見えるようですが、
  本論文の最大の欠点はヨーロッパ系とアフリカ系しか解析していないことです。もしアジア系でモンゴール系やツングース系、古住シベリア系のフラット顔適応を遂げている集団を 解析していたら、
  自然淘汰の結果、多様性が減る退行進化もあることが結論に加えられるともう少し意義深い論文になったような気がします。



以上

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