15-25. . 進化に対する内在性レトロウイルスの働きがわかりつつある!

  当ガラパゴス史観が参考本としている最新進化学の「破壊する創造者」の骨子は「内在性レトロウイルス」が進化の要因でもあった、というものです。 興味のある方は当ホームページの記事13-1.を読んでください。

  Nature Japanの日本語版に京都大学の論文が掲載され、太古に感染したレトロウイルスが、胎盤の多様性の原動力だった!という非常に興味深い内容でした。 このことはレトロウイルスが種の違い・進化の要因になっていることを示しています。  「破壊する創造者」の伝える最新進化学はここ日本でも進められていたのです。

  Nature Japanの9月12日の特集記事をご紹介します。
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  太古に感染したレトロウイルスが、胎盤の多様性の原動力だった!

  2013年9月12日

  京都大学 ウイルス研究所 細胞生物学部門
  宮沢孝幸 准教授

  哺乳類の胎児の多くは、胎盤によって育まれる。胎盤は、母親と胎児の両方の組織からなり、子宮内で胎児を支える役目を担うほか、互いの血液を混合させることなく栄養、 ホルモン、ガスなどを交換するという、極めて重要な機能を果たす。一方で、胎盤の形状や構造は動物種によって大きく異なり、その違いがどのようにしてもたらされたのかは、 謎のままにある。このほど、京都大学 ウイルス研究所の宮沢 孝幸 准教授らは、ウシの胎盤に見られる現象に着目し、胎盤の進化にレトロウイルスが関与していたことを突き止めた。

  ウシ科の動物は、ウシ亜科、ヤギ亜科、インパラ亜科など、7つに分けられる。いずれの亜科も約100個の小さな胎盤節からなる「多胎盤」を形成するが、その際、ウシ亜科とヤギ亜科だけに 「胎児側の細胞と母体側の細胞が融合する特殊な現象」が見られるという。こうした母子細胞の融合はかなり以前から知られていたが、分子メカニズムは分かっていなかった。

  BERV-K1由来のFematrin-1による、ウシ三核細胞の形成過程

















  宮沢准教授は、学部生時代にレトロウイルスの研究を始め、その過程で「ヒト内在性レトロウイルス」がレトロトランスポゾンとして機能し、胎盤で発現していることを知ったという。 内在性レトロウイルスとは、太古に感染したレトロウイルスが「感染先の動物(宿主)の生殖細胞」に入り込み、ゲノムの一部と化したDNA配列を指す。一方のトランスポゾンは、 ゲノム中において、自身のDNAの一部から転写されたRNA配列を逆転写してDNAに戻し、それを別の領域に挿入する転移因子の総称だ。「はるか昔に人類に感染したレトロウイルスの 遺伝子がヒトゲノムに取り込まれ、遺伝子として胎盤で何らかの機能を持つようになったのではないか。当時から、そんなふうに考えていました」と宮沢准教授。

  「その後、内在性レトロウイルスと胎盤との関係を調べてみたいと思いつつ、ずいぶん時間が経ってしまいました」。そう話す宮沢准教授はイリギス留学などを経て、 2005年に現職に就いたのを機に「内在性レトロウイルスが、ウシの胎盤でみられる母子の細胞融合と関与するのではないか」との仮説を立て、本格的な研究に乗り出した。

  まず、ウシの内在性レトロウイルス(BERV-K1)が、ウシの胎盤や栄養膜細胞を株化した細胞において発現していることを確かめた。そのうえで、BERV-K1遺伝子の一部が、 胎盤の栄養膜にある特定の細胞(二核細胞と三核細胞)にだけに発現していることを、複数の手法を用いて突き止めた。栄養膜の二核細胞は胎児側の細胞で、この細胞が母体側の 子宮内膜細胞と1対1で融合すると三核細胞(TNC)になるという。

  「次に、細胞融合能を持たないモデル細胞(アフリカミドリザル由来のCOS細胞)に、BERV-K1のエンベロープタンパク質を強制発現させ、ウシの子宮内膜細胞と共培養してみました。 BERV-K1が母子細胞融合の鍵を握るとしたら、エンベロープタンパク質が機能することで、細胞どうしが融合すると考えたからです」と宮沢准教授。

  エンベロープタンパク質とは、ウイルスの膜(殻)に刺さっているタンパク質のこと。このタンパク質が宿主細胞の膜にある受容体と結合すると、ウイルスと宿主の細胞膜が融合し、 ウイルスゲノムが宿主細胞内に入れるようになる。宿主細胞内ではウイルスのゲノムやタンパク質が大量にコピーされ、ひとそろいが宿主細胞の膜をかぶって飛び出すと、 子ウイルスの誕生(すなわち、感染の成立)となる。

  実験結果は、宮沢准教授の予想どおりだった。細胞どうしが1対1で接触し、接触点において互いの細胞膜が融合。2つの核を持つ、単一の細胞へと変化したのだ。 「融合過程を観察するだけでなく、融合活性の定量的な判定も行いました。そして、BERV-K1のエンベロープタンパク質が細胞融合の鍵であるとの結論に至り、 このタンパク質をFematrin-1と命名しました」と宮沢准教授。

  さらに、宮沢准教授らは、ウシのBERV-K1がFAT2という遺伝子のイントロンに入り込んでいることも突き止め、同じようにBERV-K1をFAT2のイントロン内に持つ亜科がいるかどうかを調べた。 「ウシ亜科のみに見られ、ヤギやヒツジなどのヤギ亜科には見られませんでした。2つの亜科は約2000万年前に分かれたことがわかっているので、その直後に、BERV-K1がウシ亜科に感染して 入り込んだと推測できます」。

  一連の結果は、BERV-K1の感染が、ウシ亜科とヤギ亜科に胎盤の違いをもたらす大きな原動力になったことを示唆している。「おそらく、大昔に感染したレトロウイルスの種類が、 動物種の胎盤の違いをもたらしてきたのでしょう」。そう話す宮沢准教授は、遺伝子がレトロウイルスによって他の動物種に伝わることがあるのか、あるとしたらどのようなメカニズムに よるのかといったことも検討し、生命進化とウイルスとの関わりを解き明かすべく、努力を続けている。

  西村尚子
  サイエンスライター
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  当ガラパゴス史観を構築するための3要素は表紙に書きましたが、

  ●Globalで報告されているY-DNA、mtDNAの国別,民族別,部族別の頻度調査データ解析結果、
  ●最新の進化学で報告されている「進化」の知見、
    「進化」は、推進力となる4つのファクター
     (1) 突然変異、
     (2) 共生(内在性レトロウイルスとの)、
     (3) 異種交配、そして
     (4) エピジェネティクス(後天的獲得形質)と、
    ダーウィンの
     (5) 自然選択
    との相互作用で起る、と説明されている。
  ●分子生物学研究者時代に実験データ解析の手法として身に付けたデータマイニング手法

  以上の解析結果・知見・手法の3要素である。

  当ガラパゴス史観の構築した、現代人つまりホモ・サピエンス・サピエンスの進化は、

  ・収縮しつつあった森林の、樹上での縄張り争いに負けて樹上から追い出されたか、もしくは草原で狩りをする捕食者達に触発され食糧確保のため自発的に樹から降りたか、もしくは両方か、 ともかく草原に降り立ったこと。

  ・木の実食から肉食に変わり、脳が大きく進化したこと。

  ・サハラの砂漠化により2000人程度の絶滅危惧種となり、先輩人類(原人、旧人達)と同様出アフリカを決行したこと。

  ・出アフリカ後の中東〜インド亜大陸で未知のレトロウイルスに感染したことや、旧人との亜種間交配で遺伝子の一部や旧人が感染していた内在性レトロウイルスも受け継いだことが、 Y-DNAとmtDNAの分化を引き起こしたこと。

  ・行く先々で土地々々の新しいレトロウイルスに感染したこと。

  が遺伝子分化を引き起こし、アフリカに留まった非出アフリカ人とは全く異なる進化をたどり、近代・現代文化を構築するまでに至った、というものです。」

  出アフリカに加わらなかった他のホモ・サピエンス・サピエンス(Y-DNA「A」と「B」及び「L3」以外のmtDNA「L」)はアフリカの草原地帯や森林地多で狩猟採集段階でそれ以上の進化を止め、 原始状態にとどまり今に至っています。

  後代、出アフリカからアフリカに出戻ったY-DNA「E」が「A」や「B」と交配したおかげで、「E」と共存した「A」と「B」は「E」と同じ段階に進みましたが、その「E」もアフリカに戻ったことで それ以上の進化を止めてしまいました。

  Y-DNA「E」で地中海北岸に進みY-DNA「I」、「J」「R」などと交配し一体化した集団のみが文明化し近代・現代文化の恩恵を受けています。

  古代遺伝子Y-DNA「E」はアフリカ草原地帯の原始の狩猟採集から最先端の現代文化まで最も幅広い変異幅を持つ遺伝子なのです。

  Y-DNA「E」が戻りアフリカ後それ以上の進化をしなかった理由は、故地に戻ったため新しいレトロウイルスに出会わなかったことにある、と考えられます。熱いことも理由のひとつでしょうが。



以上

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