15-30. チベット高原の高地で生きていた更新世後期のデニソワ人

  2019/5/1のNatureにLetterとNewsでデニソワ人のアジアでの拡大を裏付ける16万年前の顎の化石が標高3300mのチベット高原で発掘され研究結果が報告されました。
  最近の研究論文を3編ご紹介します。興味のある方は原著をお読みください。翻訳はあまりに大変なので、ここでは理解のキーになる図をご紹介します。

1.Nature NEWS 1-May-2019
  Biggest Denisovan fossil yet spills ancient human’s secrets
  (デニソワ人の最大の化石は、まだ古代の人間の秘密をばらします。)
2.Nature Letter 1-May-2019
  A late Middle Pleistocene Denisovan mandible from the Tibetan Plateau
  (チベット高原の更新世中期後半のデニソワ人の下顎骨)
3.Nature NEWS FEATURE 27-Feb-2019
  Siberia’s ancient ghost clan starts to surrender its secrets
  (シベリアの古代の幽霊(デニソワ人)一族は、秘密を引き渡し始めます)

  下顎が発掘されたチベット高原の地図です。発掘現場は3000m以上の高地になります。以前の論文でチベット人の高地適応形質は デニソワ人から受け継いだと学会は推測していましたが、今回の発掘で間違いないだろうと学会は結論づけたようです。


  シベリアのデニソワ洞窟から発掘されたのは指の骨だけでしたが、今回は下記下顎が発掘され分析上も多いに貢献したようです。


  この結果は、現東アジア人の祖先が高地適応という後天的な形質を獲得するはるか前に人類は高地適応形質を獲得していた、それがデニソワ人であり、 遺伝子解析の結果は、デニソワ人の遺伝子はアジア人やオセアニア人集団に受継がれていることを示しており、ネアンデルタール人だけでなく姉妹旧人の デニソワ人(最新の研究ではデニソワ人とネアンデルタール人の混血児の化石も発掘されており、デニソワ人もネアンデルタール人のアジア型であると 推測されています)も我々現生人類と交雑していたことが判明しています。

  下図は記事15-29で紹介されていた図を最新の調査結果で書き直したようです。


  要するにざっくり言うと:
  1.出アフリカを経験していないY-DNA「A」と「B」のネイティブアフリカンは
    ネアンデルタール人の遺伝子が入っていない。
  2.いわゆる欧米人、中近東人、北アフリカ人やインド亜大陸人集団などは
    ネアンデルタール人の遺伝子を受け継いでいるが、
  3.東アジアとオセアニアの集団はネアンデルタール人とデニソワ人両者の遺伝子を
    受け継いでいる、
ということのようです。

世界で日本人の中の縄文系Y-DNA「D1b」と最も近い民族集団はY-DNA「D1a」のチベット人であることは当ガラパゴス史観が以前から書いています。 この「D1a」と「D1b」が分化したのは、デニソワ人との交雑後なのかそれ以前なのかは、当ガラパゴス史観でも皆目推論できていません。 推論するだけの情報が少なすぎるからです。
  学会が受け入れている調査結果は、チベット人やシェルパ族の高地適応はデニソワ人との交雑によるということです。 つまりY-DNA「D」の最古の亜型Y-DNA「D*」はアンダマン諸島のJarawa族とOnge族に残っています。 海面上昇が起こる前のインド洋の現アンダマン諸島部分に住みついたY-DNA「D」集団は海面上昇後、 諸島に取り残され古代の原型を現在に伝えることになった事は間違いないようです。
  一方スンダランドから更に北上した「D」集団は二手に分かれ、現中国大陸部分に移動した後の「D1a」集団はどこかの平原部分に住み着いたはずですが、 後から台頭した揚子江流域民で水田稲作集団の「O1」や黄河流域民で陸稲集団出身で中原を制覇した「O2」集団に追われチベット高原に逃げ込み そこにいたデニソワ人の末裔と交雑した、と言うのは年代的にチョッと無理がありますが、高地適応形質をデニソワ人から受け継いだというなら どこかの年代で遭遇しているはずです。 しかも何故チベット人の祖先が数万年前(ネアンデルタール人は3万年前頃に滅びたとされている)に高地に住み着いたのかは 遺跡がまだ発掘されていないため皆目わかりません。
  もし「O」集団に追われた以降だとすると、稲作農耕革命が起きたのがメソポタミアの農業革命と同じ1万2000年前ごろとすると、 その年代までデニソワ人は生存していたことになりますが????!!!!
  一つの推測は、エベレスト登山で有名なシェルパ族がデニソワ人の末裔だとすると、懸案事項は一気に解決するのですが、 果たして?

  二手に分かれたもう一方の後の「D1b」の祖先は数万年前にはY-DNA「C1a」と共に日本列島部分に到達していたと思われます。 中国大陸でデニソワ人と遭遇後に片方はチベット高原に残り、片方は日本列島に移動したと考えるのもチョッと無理があります。
  特異な文明である5000年前頃の三星堆遺跡などの四川文明がデニソワ人の末裔が残した古文化だとすると非常に面白いのですが....
  今後もチベット高原の発掘は続くと思われますので研究成果を期待しましょう。


以上

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