15-6. 高齢化による男性遺伝子の不安定化

  Natureに高齢化による男性遺伝子の不安定化の論文が掲載されました。高齢婚同士によるダウン症の発生確率が増すことは知られていますが、自閉症も問題だそうです。
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Sporadic autism exomes reveal a highly interconnected protein network of de novo mutations

Brian J. O’Roak, Laura Vives, Santhosh Girirajan, Emre Karakoc, Niklas Krumm, Bradley P. Coe, Roie Levy, Arthur Ko, Choli Lee, Joshua D. Smith, Emily H. Turner, Ian B. Stanaway, Benjamin Vernot, Maika Malig, Carl Baker, Beau Reilly, Joshua M. Akey, Elhanan Borenstein, Mark J. Rieder, Deborah A. Nickerson, Raphael Bernier, Jay Shendure & Evan E. Eichler

It is well established that autism spectrum disorders (ASD) have a strong genetic component; however, for at least 70% of cases, the underlying genetic cause is unknown1. Under the hypothesis that de novo mutations underlie a substantial fraction of the risk for developing ASD in families with no previous history of ASD or related phenotypes?so-called sporadic or simplex families2, 3?we sequenced all coding regions of the genome (the exome) for parent?child trios exhibiting sporadic ASD, including 189 new trios and 20 that were previously reported4. Additionally, we also sequenced the exomes of 50 unaffected siblings corresponding to these new (n = 31) and previously reported trios (n = 19)4, for a total of 677 individual exomes from 209 families. Here we show that de novo point mutations are overwhelmingly paternal in origin (4:1 bias) and positively correlated with paternal age, consistent with the modest increased risk for children of older fathers to develop ASD5. Moreover, 39% (49 of 126) of the most sev ere or disruptive de novo mutations map to a highly interconnected β-catenin/chromatin remodelling protein network ranked significantly for autism candidate genes. In proband exomes, recurrent protein-altering mutations were observed in two genes: CHD8 and NTNG1. Mutation screening of six candidate genes in 1,703 ASD probands identified additional de novo, protein-altering mutations in GRIN2B, LAMC3 and SCN1A. Combined with copy number variant (CNV) data, these results indicate extreme locus heterogeneity but also provide a target for future discovery, diagnostics and therapeutics.
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BioQuick Nwesの要約もご紹介します。

父親の年齢と共に自閉症リスクを伴う自然突然変異も高まる

  自閉症スペクトラム障害(ASD)の原因となりうる環境因子が発見された。父親は母親に比べて4倍、障害を持つ子供に自然突然変異を伝達する可能性が高いのである。 また、このような遺伝的変化は父の年齢の増加と共に増えていく。本研究はこれまでに証明されてきた父の年齢と自閉症リスクの関連性を説明するのに役立つであろう。 このような遺伝子中のタンパク質コード領域におけるシーケンス変化は、ASDにおいて重要な役割をもつ。本結果は3つの異なる新しい研究からなり、 これらは部分的に国立衛生研究所(NIH)によってサポートされている。研究の一つは、このような変異を持つ事によって子供が自閉症を発症するリスクは5倍から20倍に上ると判断している。 これら3つの研究はこのような研究では最大のものであり、そのサンプル数は合わせて549家族にも上るため、統計確度も高い。

  本研究は散発的変異がゲノムに幅広く分布されていることを明らかにし、これらはリスクを高めるものとそうでないものの両方であった。 識別された変化のほとんどは疾患を説明するものではないが、自閉症スペクトラムにおいて起こり得る複数のシンドロームの生物学的な手がかりになる。 「これらの結果から、リスクは遺伝的異常の大きさよりも、それが起こる場所によって決まるものであることが分かります。特に、脳発生や神経結合を含む生化学的経路がそうです。 最終的には、このような知識が新しい治療法を生み出すのに役立つのです。」と、NIH国率精神衛生研究所(NIMH)所長、トーマス・R・インセル医学博士は説明する。 NIMHは研究の一つに資金を提供し、研究グループの全てがメンバーである自閉症シーケンシングコンソーシアムの開発を促進した。

  多部位の研究チームを率いたのはハーバード/MITブロード研究所(マサチューセッツ州ケンブリッジ市)のマーク・デイリー博士(Ph.D.)、イェール大学(コネチカット州ニューヘイブン市)の マシュー・ステート博士(M.D.,Ph.D.)、そしてワシントン大学(ワシントン州シアトル市)のエバン・アイヒラー博士(Ph.D.)である。 デイリー博士の研究チームはアメリカ復興・再投資法に関連した資金提供をNIMHより受けた。ステート博士およびアイヒラー博士の研究は、主にシモンズ財団自閉症研究イニシアチブによりサポートされた。 また、NIH国立ヒトゲノム研究所(NHGRI)、国立心肺血液研究所(NHLBI)、そして国立小児保健発達研究所(NICHD)およびNIHのその他の研究所も資金を提供している。

  3チームは両親と障害を持つ子供の、遺伝子中のタンパク質翻訳領域のシーケンシングを行った。主に、自閉症患者は家族中1人で、研究の一つはさらに健常な兄弟との比較も行った。 これらのタンパク質翻訳領域は全ゲノムのわずか1.5%にしかならないが、疾患の原因となる変異の約85%を抱いている部分でもある。本研究で使用された方法は、 自閉症のリスクを与える遺伝子伝達中に起こる自発的なエラーを、より良性の変異によって生まれる”バックグラウンド・ノイズ”から識別する可能性を高めた。 自閉症や統合失調症に以前から関連付けられていた遺伝子材料の大幅な欠失や重複の様に、本研究で同定された点変異は通常、従来の意味での継承はされない―これらは両親のDNAの一部ではなく、 子供のDNAの一部になるのである。ほとんどの人々はこのような変異を持ちながらも、それらの影響を受ける事なく生活している。しかし、これらの変異が脳発生を妨害する経路で発生した場合、 自閉症のリスクを高める事になるという証拠が確立されてきている。

  ステート博士の研究チームは、研究対象の自閉症患者の14%に変異の疑いがあったことが明らかになった。これは通常の数の5倍である。アイヒラー博士と研究チームはこれらの変異の39%が 脳内コミュニケーションに必要な生化学的経路にリスクを与える可能性が高いと発表した。デイリー博士と研究チーム発見した自閉症における突然変異のもつ役割は中程度の証拠であったが、 特定された者達は互いに生物学的な関連を持ち、また以前から自閉症と関連付けられている遺伝子とも関与していた。アイヒラー研究チームは、環境因子が遺伝子に影響を与える方法への糸口を上げた。 男性の精子細胞のターンオーバー率の高さは、遺伝翻訳プロセス中のエラー率を高める。これらのエラーは父親の体DNAに存在せずとも子孫のDNAに継承される可能性がある。 そして、このリスクは加齢に伴って悪化する可能性がある。研究チームは、父親の加齢と正に相関した遺伝子のコーディング域における51の自然突然変異の起点では父性バイアスが4倍であることを発見した。 したがって、このような自然突然変異は、自閉症男児の父親は健常男児の父親と比べて6倍(女児では17倍)の率で20代よりも40代であることを発見した以前の研究を説明するであろう。

  「我々はやっと、自閉症における遺伝的変動の大部分をつかむための道を見つけたのです。疾患を発症するには遺伝子のコード領域上にいくつ変異が必要であるかを予測できるほどです。」と、 デイリー博士の研究に資金提供し、自閉症シーケンシングコンソーシアムの設立に手を貸したNIMHゲノミクスリサーチ支部チーフ、トーマス・レーナー博士(Ph.D.)は語る。 「これらの研究は、以前は不同性とされていた証拠のピースを統合し、自閉症の分子的基盤に関するより包括的な説明を与えることでしょう。」と、レーナー博士はまとめる。

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  女性の遺伝子に較べて、男性の遺伝子がいかに不安定なのかは、当たり前のことですが、生物の進化に多様性をもたらすために創造されたのが「オス」であると言うことから、 無理やり作りだされたものであるために不安定になりやすいことは想像に難くはありません。生物の一員である人類に適齢期があるのは女性のためではなく むしろ遺伝子が不安定になりやすい男性のためなのだということが改めて理解できました。

  この男性遺伝子の持つ遺伝子の不安定さが異遺伝子交配によるY-DNAハプロタイプの分化を引き起こし易くなり逆に民族性を表す良い指標になるようです。 欧米の民族性の研究者が民族性の指標にmtDNAよりY-DNAを用いたのは、古代のmtDNAの民族を越えた移動が顕著なため民族や、地域によるmtDNAの分化が見られなかったからですが、 男性は古代から出アフリカ、出シベリア等集団移動以外には民族を越えて移動することが極めて少なかったため(古代フン族のヨーロッパ侵入やテュルク族の西遷、モンゴル帝国の拡大など例外もあります)、 民族の指標には適していたのですが、女性より4倍以上も変化を受けやすい不安定さも適していたようです。



以上

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