17-13. 父親の肥満は子供に負の相続財産となるかもしれない!

  アメリカのCELL誌のMethabolism編に、父親の肥満は子供の肥満や自閉症を引き起こす可能性があることを示唆する論文が掲載されました。 掲載されたのは昨年暮れで、原著を読んでも内容が難しくよくわからなかったのですが、BioQuickニュースで紹介記事が掲載され 当ガラパゴス史観の注目しているエピジェネティクス関連のかなり重要な内容であることがやっとわかりましたので当記事にしました。
  学会や健康関連分野、障害分野で徐々にこの論文が実は極めて重大な画期的なものではないかと注目され始めています。
  つまり肥満は「負の相続財産」になるのだそうです。特に肥満気味の方は心してお読みください。

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Obesity and Bariatric Surgery Drive Epigenetic Variation of Spermatozoa in Humans

Ida Donkin, Soetkin Versteyhe,Lars?R.Ingerslev, Kui Qian, Mie Mechta, Loa Nordkap, Brynjulf Mortensen, Emil?Vincent?R.Appel, Niels Jorgensen, Viggo?B. Kristiansen, Torben Hansen, Christopher?T. Workman, Juleen?R. Zierath and Romain Barres

Published: December 3, 2015

Highlights

・Distinct sncRNA expression and DNA methylation profiles in sperm from obese humans.
・Differentially methylated genes are related to brain function.
・The spermatozoal epigenome is dynamically remodeled after bariatric surgery.
・Differential methylation clusters with known SNPs of obesity.

Summary

 Obesity is a heritable disorder, with children of obese fathers at higher risk of developing obesity.
 Environmental factors epigenetically influence somatic tissues, but the contribution of these factors to the establishment of epigenetic patterns in human gametes is unknown.
 Here, we hypothesized that weight loss remodels the epigenetic signature of spermatozoa in human obesity.
 Comprehensive profiling of the epigenome of sperm from lean and obese men showed similar histone positioning, but small non-coding RNA expression and DNA methylation patterns were markedly different.
 In a separate cohort of morbidly obese men, surgery-induced weight loss was associated with a dramatic remodeling of sperm DNA methylation, notably at genetic locations implicated in the central control of appetite.
 Our data provide evidence that the epigenome of human spermatozoa dynamically changes under environmental pressure and offers insight into how obesity may propagate metabolic dysfunction to the next generation.

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和訳する元気が出ないので、機械約を載せます。悪しからず。

肥満と胃バイパス手術は、人間で精子のエピジェネティック(後成的)な変化をドライブします。

ハイライト

・太りすぎの人間からの精子の異なったsncRNA表現とDNAメチル化プロフィール。
・差別的にメチル化された遺伝子は、脳機能に関連があります。
・精子エピゲノムは、胃バイパス手術の後ダイナミックに改造されます。
・差別的なメチル化は、肥満の既知のSNPで集まります。

要約

  肥満を現すより大きな危険の太りすぎの父の子供たちと、肥満は「相続される障害」です。
  環境要因は身体の組織に後成的に影響します、しかし、人間の配偶子の後成的なパターンの設立へのこれらの要因の貢献は知られていません。
  ここでは、体重減少が人間の肥満で精子の後成的なサインを改造すると、我々は仮定しました。
  やせて太りすぎの男性からの精子のエピゲノムの広範囲のプロファイリングは類似したヒストン位置決めを示しました、 しかし、小さな非翻訳RNA表現とDNAメチル化パターンは著しく異なりました。
  病的に太りすぎの男性の別々の一団において、特に食欲の中心制御に関係する遺伝子の場所で、 手術によって誘発された体重減少は、精子DNAメチル化の劇的なリモデリングと関係していました。
  人間の精子のエピゲノムがダイナミックに環境圧力の下で変わって、肥満が次世代に代謝性機能障害を伝播するかもしれない方法に対する 洞察を提供するという証拠を、我々のデータは提供します。
以下、BioQuickニュースの日本語版の紹介記事です。
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肥満は精子にエピジェネティックな変化を引き起こすことが判明

  人間を対象とした研究で、男性の肥満が精子のエピゲノムをダイナミックに変化させ、その変化が子供に遺伝し、次世代の代謝に深刻かつ長期的な影響を残す可能性が最近の研究で示唆されている。 複数の小部分に分かれるこの研究では、特に痩せ型と肥満型の父親の場合では精子のsmall ncRNA (non-coding RNA)の発現に大きな違いがあることを初めて示した。 このsmall ncRNAは、RNAのサブタイプで、エピジェネティックな遺伝への関わりが強く示されている。
  もう少し具体的に言うと、piRNA (piwi-interacting RNA)と呼ばれるsmall ncRNAのあるサブタイプは、痩せ型と肥満型の男性では発現が異なることが突き止められたのである。 piRNAは、主として生殖系で発現し、反復配列を抑制することでゲノムの安定性を維持したり、コード遺伝子の発現を調節したりなどの基本的な役割で知られている。 エピジェネティックな遺伝におけるpiRNAの役割については過去にショウジョウバエの研究で示されている。

  今回の研究では、痩せ型と肥満型の男性で発現が異なるpiRNAのターゲット予測で、 「Chromosome」や「Chromatin」などの用語や「Chemdependancy」のような遺伝子アノテーション用語に対してbest enrichment scoreを示す遺伝子を拾い出した。 特に、肥満に関わる摂食調節物質であるコカイン・アンフェタミン調節転写産物 (CART) が、肥満型男性では発現が異なっていた。 研究のこの部分の結果から、同研究チームは、「このような変化を受けたpiRNAの発現が、それに合わせて、行動や摂食に関わる遺伝子の発現を修正し、子供の肥満的傾向を引き起こすのではないか」と 推定している。
  研究のもう一つの部分で、病的肥満型の男性が手術で減量した場合、精子DNAのメチル化の劇的な初期化を伴っており、特に食欲の中枢制御によって示される遺伝子座でその変化が顕著である。
  このDNAメチル化というのはゲノムのエピジェネティックな変化のメカニズムの一つである。さらに、エピジェネティックな変化の3つめのメカニズムであるヒストン・ポジショニングには変化は 見られなかった。

環境圧力による劇的かつ遺伝性のエピジェネティックな変化

  上のような実験結果から、研究チームは、「私達の研究データは、ヒトの精子のエピゲノムが環境圧力によって動的に変化する証拠を示しており、 肥満が代謝機能不全を次世代にまで伝達する仕組みを理解する手がかりになっている」と結論している。

自閉症との関連の可能性

  さらに研究チームの報告で非常に示唆的なのは、研究で突き止められたエピジェネティクスの変化と自閉症スペクトラム障害 (ASD) との間に関連が認められるということだった。 研究チームが、痩せ型と肥満型でCpGsのメチル化が異なることを突き止めた遺伝子のGO (遺伝子オントロジー) 解析を行ったところ、「nervous system development」の用語について有意な濃縮を示した。
  また、この結果の統計的有意性はかなり大きいと述べている。また、この研究で274種の遺伝子のリストから食欲をコントロールする主要制御因子をいくつか突き止めた。 そのような遺伝子として、メラノコルチン4受容体 (MC4R)、脳由来神経栄養因子 (BDNF)、神経ペプチド Y (NPY)、カンナビノイド1型受容体 (CR1)、CARTなどの他、 脂肪量と肥満に関連する遺伝子 (FTO)、炭水化物スルフォトランスフェラーゼ8 (CHST8)、SH2ドメイン含有タンパク質1 (SH2B1)など、肥満、代謝関係の遺伝子がある。
  研究論文は、「これらの結果から、CNSや代謝の機能を司る遺伝子のエピジェニック・マークの特異リモデリングが考えられる。 このような結果は、最近の研究で、ヒトの始原生殖細胞中の神経障害や代謝に関わる遺伝子が脱メチル反応を受けないことが示されたことと一致する。 このことから、ゲノムの特定領域、特にCNSと代謝機能調節が交差する位置の遺伝子が配偶子のエピジェネティックな変動のホットスポットになっていることが推測される」と述べており、 自閉症スペクトル障害 (ASD) との関連が考えられることについては、「肥満の男性の子供は肥満のリスクだけでなく、ASDのリスクも高まる」と述べている。
  そのことから、研究チームは、自分たちの研究結果を、ASDと診断された幼児を持つ父親の精子ではDNAのメチル化変動が見られるという最近の研究報告と比較検討し、 「ASD発症リスクのエンリッチメントが見られたコホートでのDNAメチル化変動は、CNS発達を調節する遺伝子でも際だってエンリッチメントが見られた」と述べ、 さらに、「特に、痩せ型/肥満型コホートでのメチル化の異なる遺伝子と、以前の研究で挙げられているASDリスク増大コホートでのメチル化の異なる遺伝子との間にかなりのオーバーラップがある」と 報告している。 また、この研究チームは、「これらの研究結果は、肥満男性の精子ではCNSを調節する遺伝子のエピジェネティックな初期化が行われ、 その子供の社会的行動、食餌行動に変化をもたらしているのではないかという考えを裏付けている」と述べている。

この研究に関する追加詳細情報

  非常に挑発的であり、同時に画期的なものになる可能性を持つこの研究は2015年12月6日付Cell Metabolismオンライン版に掲載され、 「Obesity and Bariatric Surgery Drive Epigenetic Variation in Human Spermatozoa (肥満や肥満外科手術でヒトの精子にエピジェネティックな変動)」と題されている。
  また、この研究は、デンマークのUniversity of Copenhagen, Novo Nordisk Foundation Center for Basic Metabolic Researchの研究チームが中心になって行い、 筆頭著者と責任著者を務めた准教授、Romain Barres, Ph.D.の研究室の研究チームは、痩せ型男性13人、肥満型男性10人の精子細胞を比較し、 痩せ型と肥満型ではその細胞がそれぞれ異なるエピジェネティック・マークを持っており、その違いが次世代の食欲を変化させる可能性を突き止めた。

胃バイパス手術でエピジェネティクスが劇的に変化

  先に述べたように、この研究のもう一つの重要な発見は、減量の有効な手段である胃バイパス手術を受けた6人の男性の手術前と手術後1年経過してからの精子細胞を調べ、 手術によってエピジェネティック情報がどのような影響を受けたかを調べた結果、得られた。その調査で、手術前、手術直後、 1年経過後では精子細胞のDNAに4,000箇所に及ぶ構造的変化が見られた。Dr. Barresは、「このような違いの意味をさらに調べなければならないということは確かだが、 精子が男性の体重の情報を持っていることの証拠と考えられる。また、男性の体重が減れば、その後生まれてくる子供達の食餌行動にも影響する可能性を示唆している」と述べている。

栄養的ストレスが遺伝的リスクを高める可能性

  Dr. Barresは、「過去の疫学的研究で、ある世代が飢餓など栄養的ストレスを経験すると次の世代の糖尿病発症リスクが高まることが明らかになっている」と述べている。 さらに、スエーデンの寒村で飢饉時の食物の供給量と、孫の代の心血管代謝疾患発症リスクとの間に相関性が見られたという研究も引用している。 その研究では、孫の代の健康状態は、ヒストン・ポジショニング、DNAメチル化、small ncRNAの発現などに影響する特定のエピジェネティック・マークを持つ、先祖の配偶子の影響を受ける可能性が 高いことが突き止められている。 エピジェネティック・マークは遺伝子の発現を調節できるもので、そのことは昆虫や齧歯類の子供の場合にもその健康に影響することが示されている。 Dr. Barresは、「環境圧力によってエピジェネティック情報にそのような重大な変化があるとは予想もしていなかった」と述べている。

画期的な研究になる可能性

  さらに、Dr. Barresは、「個人の栄養状態など生活習慣や環境的要因が配偶子の情報を形づくり、それによって次世代の摂食行動を変えることを突き止めたのは重大な発見だと思う」と述べている。 この研究を、肥満問題に引き寄せて考えた場合、つまり、世界的に問題になっており、遺伝性があり、かつ摂食や身体活動など環境条件に影響されやすい代謝障害の問題に引き寄せて考えた場合、 父親になる男性の減量で生まれてくる子供の摂食行動を変えられる可能性を突き止めたというのは画期的なことである。

影響の大きい受胎前の父親の健康

  Cell Metabolism掲載の研究論文の共同第一著者の一人、Ida Donkin, M.D.は、「肥満体の父親の子供は、母親の体重とは関わりなく、成長して肥満体になる傾向があるということが明らかになった。 これは受胎前に父親になる男性の健康に注意しなければならないという重要な情報であり、同時に、社会一般に向けて広めていかなければならない情報でもある」と述べている。

改善できる受胎前の生活習慣要因

  もう一人の第一著者である、Soetkin Versteyhe, Ph.D.は、「この研究で、受胎前の親の生活習慣要因、特に食習慣の大切さに対する認識が高まった。 受胎前の親の食習慣や身体活動の程度が将来の子供達の健康や発育にとってとても重要なのかも知れない」と述べている。 かつては不可避とみなされていた遺伝的な素質が改変可能と実証される可能性もあり、日々の生活での行動が自分達の健康だけでなく、子や孫の健康にまで影響を及ぼしているのかも知れない。 この研究は、肥満などの障害を未来の世代に受け継がせないために可能な介入手段を探る新しい道を開いたと言える。



以上

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