0-1. 日本人のY-DNA、mtDNA遺伝子ハプロタイプ出現頻度調査まとめ

  出現頻度は、グローバルで入手できた論文のデータを全て単純合算せずに、調査人数を調整して算出しています。 調査した研究者はそれぞれ独自に調査を行っているので、同じ日本人を複数回調査している可能性は極めて低いと思います。 それなら1つの研究のサンプル人数は少なくても、入手できる全てのグローバル論文のサンプル数を積算すればサンプル数が増え より精度が上がることになります。 従って頻度は複数の論文の頻度値の単純平均ではなく、各論文の亜型の人数を割り出し逐一積算し全体数から頻度を再算出しています。

  mtDNA(左列)とY-DNA(右列)をまとめてみました。多少わかりやすいかと思います。

  このmtDNA調査で最も重要なことは日本人の2/3(66%)がmtDNA「M」系であり、世界でこれだけの高頻度の「M」を持つのは、 チベット人(約70%)と日本人だそうです。 そして両民族は奇しくも充分な人口規模を持つ世界で唯2のY-DNA「D」民族です。特に琉球人は世界最大頻度の「M」系民族であり アイヌ民族に次ぐY-DNA「D」民族でもあります。 これは偶然の一致ではなく日本列島の縄文のコアであるY-DNA「D」はmtDNA「M」と常にペアで行動してきたことを示しています。
  一方日本人の1/3(33%)は欧米系のmtDN「N」系になります。mtDNA「M」と「N」は出アフリカ前にすでに分化していたとする仮説と アジア(恐らくインド亜大陸か近東)で分化したとする2つの仮説があり、まだ決着はついていません。 しかしネアンデルタール人との亜種間交配で出アフリカしたY-DNA「CT」が「DE」と「CF」に分化したとする仮説が現在もっとも合理的なので、 mtDNAも出アフリカ後に同じ理由で「M」と「N」に分化したとすると説明を付けやすいのです。

  黄河文明の古代遺跡から発掘される人体はコーカソイドの特徴を持っていることは、考古学ではよく知られています。 これは寒冷地適応や黄砂適応を獲得するまえのY-DNA「O3」はY-DNA「CF」の子孫としてふさわしい彫深の外観であったことを示しています。 同様に典型的なフラットフェースのモンゴル人Y-DNA「C3c」も、本来は兄弟亜型Y-DNA「C2」と「C4」のニューギニア先住民やアボリジニと同じく いかつい彫深顔であったことが容易に推測できます。これほど寒冷地適応は厳しい環境要因だったのです。
  ではmtDNA「N」系列はどうやって日本列島にやって来たのでしょうか?
1.Y-DNA「CF」系縄文人の「C1a」や「C3a」とともに来た、か
2.Y-DNA「O」と共にわたって来た、か
3.その両方の場合。
  縄文遺跡から出土するmtDNA「B」は上記1の場合、その他はY-DNA「O」とともに、mtDNA「HV」などはシルクロード経由も考えられます。

  アイヌ民族のmtDNA「Y」はオホーツク文化で古代アイヌ民族を征服した古代ニヴフ族がもたらしたものでしょう。 その古代ニヴフ族は東北アジア系Y-DNA「C3c」のツングース系かモンゴル系と考えられます。 明治期でもアイヌ人男性の一部はコーカソイドと考えられたほど端正な顔立ちだったので、 いづれにせよ寒冷地適応を獲得する前の東北アジア集団が北海道に渡ってきたことになります。

  主題ではありませんが、アスリート能力のうちもっとも重要なエネルギー産生能力は、エネルギー産生がミトコンドリアで行われる以上、 母系遺伝することは当たり前です。白筋と赤筋とmtDNAとの関係はわかりませんが、調査結果からみると 瞬発系アスリートはmtDNA「N」系のmtDNA「F」と「B」が素地を持っているようです。一方、持久力系はmtDNA「G」が多いようです。 非常に残念なことはミトコンドリアは本記事14-2.でおわかりのように母系遺伝するため、父親がどんなに優秀なアスリートでも エネルギー産生能力は 遺伝しません。母親がその能力を持ったmtDNAを持っていない限り、トンビの子はトンビなのです。残念!

  ではY-DNA調査で分かることはなんでしょうか?
縄文系は現代日本人男性の約43%を占め、古代遺伝子の3種のY-DNA亜型から構成され、コアになる世界でも希少なY-DNA「D」 (チベット民族がY-DNA「D1」、 縄文系がY-DNA「D2」)と更に希少な海洋性ハンターY-DNA「C1」と内陸性ハンター「C3a」が含まれます。 世界の先進国の中でこれほど古代遺伝子が男性人口の約半分も占める国家は日本しかありません。 3.11でも示されたような世界を驚かせた日本だけが持つ従順性、規律性やホスピタリティなど独特の精神文化はこの古代遺伝子から構成される 縄文基層文化がもたらすものです。
  日本はこの古代性に加えてY-DNA「O2」(「O2b」,「O2b1」,「O2a」)と「O1a」の弥生系水田稲作農耕民の遺伝子が持つ 地域集団を形成し行動する、 先進国でも珍しい規律性の強い村社会的なコミュニティが加わり、ますます独自性を強めています。

  では内向きになりがちな縄文−弥生系に対し、日本人のグローバル性をもたらしたのは何なのでしょうか? それは朝鮮半島の生き残りに負けて半島を追い出され日本列島に逃げ込み、日向なる土地から出発し征服行脚を行った大和朝廷族や他の天孫族、 及び高句麗、新羅、百済などから追い出されてきた武士団族などのY-DNA「O3」プロト漢族遺伝子を持つ武装侵攻集団に他ならないでしょう。 当時の朝廷では和洋女子大の研究者が報告しているように漢語を話し、本家中華王朝に追い付き追い越せで文化力を高め これも独自な発展をする原動力となり、日本人のガラパゴス性の起源になったものと思われます。

  当ガラパゴス史観もまだ確固たる日本人論を持ってはいません、憶測や妄想も含むアブダクション(推論)の段階です。 国を挙げてY-DNAとmtDNAを調査すると、日本人のガラパゴス的民族性の起源と特性がもっとあぶりだされると思います。

   以上
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Y-DNAハプロタイプ 2016年7月版 簡易版ツリー
ISGG Y-DNA Haplogroup Tree 2016 Version: 11.191 Date:11 July 2016から。
mtDNA ハプロタイプ 2016年7月版 簡易版ツリー
  mtDNA Communityのデータ2016年5月14日版から。

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