1-19. メラネシアのデニソワ人度チェック

最初に:
  欧米の最新の研究でメラネシア人のみがデニソワ人遺伝子を4-6%内含していることが判っています。 一方、メラネシア人のみがY-DNA「K2b1」亜型(Y-DNA「S」とY-DNA「M」が子亜型)を特異的に持っていることも調査の結果明らかになっています。 そこでデニソワ人のマーカーとしてY-DNA「K2b1」の出現頻度(デニソワ度)を調べることにしました。

  遺伝学の最新の研究成果は、最新の解析技術の進歩で、当ガラパゴス史観が持っていた知識は既に古くなり、 ガラパゴス史観にとっては新しい情報が満載となっています。追い付くのが大変です。
  骨や歯から遺伝子を測定する技術が画期的に進み、我々解剖学的現代人類の遺伝子には ネアンデルタール人の遺伝子が2-4%入っており、逆にネアンデルタール人の遺伝子にはホモサピエンスの遺伝子が20%近くも 入っていることがわかってきているそうです。このくらいホモサピエンスとネアンデルタール人との交配は進んでい たそうです。
  また、最新の遺伝子解析からホモエレクトスとネアンデルタール人の進化の過程の中間に位置すると考えられてきた ホモハイデルベルゲンシスは草創期のネアンデルタール人と判明したことから、 ネアンデルタール人がホモエレクトスから進化したのは70-80万年前頃であり、50万年前頃に原ホモサピエンスが分化し、 40万年前頃にネアンデルタール人からデニソワ人が分化したということまで解析ができているようです。 そして30万年前頃に現ホモサピエンスの最古型のコイサン集団の祖先が出現したようです。
  そして何回か出アフリカが行われ、6-7万年前頃に我々解剖学的現代人類の直接の祖先が出アフリカし (スタンフォード大学の研究では2000人ぐらいの集団だったようです(一度の移動なのか、何回かで移動したのかはわかりませんが)、 そして遺跡の発掘調査の結果では5万年前頃には既にサフール大陸に到着していたらしく 東海大学等の調査では、マグロのような回遊魚すら獲っていた海に強い集団もいたようです。
  この出アフリカに伴うこの第一波(恐らくY-DNA「C」)のサフール大陸到着後(氷河期には海面は今より120m〜130mも低く、 現在のニューギニア周辺とオーストラリア周辺はまだ一つのサフール大陸を形成していた)、 恐らく数万年以上に渡る期間で第一波の先住民(恐らく古代亜型Y-DNA「C」)が、地域ごとの部族単位に分裂し、 特に現代のニューギニアでは400以上の地域言語が存在するぐらい部族間の隔離が進み、 独自の言語を持つようになっているそうです。

  ところが、海面上昇後の6000年〜8000年前頃にやっと第二波の大移動(出アジア)が起こり、 新しい亜型の遺伝子集団(恐らくY-DNA「K」、「K2a1b」と「K2b1」)がアジア大陸からこの分離後のニューギニア島を中心にした メラネシア地域に移住してきたようです。
  注:Y-DNA「K2b1」はY-DNA「S」と「M」、Y-DNA「K2a1b」はY-DNA「O」のことです。 この記事の一番最後に、Y-DNAの簡易ツリーがありますのでご参考に!

  さて化石人類学で今最もホットな話題が、ネアンデルタール人のアジア型のデニソワ人です。 最新の研究の結果、メラネシア人のみにデニソワ人の遺伝子が4−6%も受け継がれていることがわかったそうです。 そして近隣のミクロネシア人やポリネシア人とは遺伝的に差異が大きく、デニソワ人遺伝子を持っていないそうです。
  という事はこのデニソワ人遺伝子を受け継いでいる遺伝子集団は、当然メラネシアに集中して分布する Y-DNA「S」と「M」、つまりY-DNA「K2b1」亜型集団と言うことになります。 そこでガラパゴス史観を組み立てるために以前調査した100本以上の論文から、 オセアニアの調査結果を集めデニソワ度をまとめてみましたので、以下ご紹介します。

  以下Wikipediaの「Melanesians」と「Melanesia」から文章と地図を拝借しました。
  メラネシアは世界で3番目に大きな「ニューギニア島」とサンゴ礁が土台の「メラネシア諸島部」から構成され、 「メラネシア諸島部」は、「保護された楕円形のサンゴ海の外側を形成する諸島、島、環礁、サンゴ礁の連鎖」で構成されます。 これには、ルイジアード諸島(パプアニューギニアの一部)、ビスマルク諸島(パプアニューギニアおよびソロモン諸島の一部)、 およびサンタクルス諸島(ソロモン諸島と呼ばれる国の一部)が含まれます。 バヌアツは、ニューヘブリディーズ島のチェーンで構成されています。 ニューカレドニアは、1つの大きな島と、ロイヤルティ諸島を含むいくつかの小さな鎖で構成されています。 フィジーは、ビティレブ島とバヌアレブ島の2つの主要な島と、ラウ諸島を含む小さな島で構成されています。



それでは各地域のY-DNA亜型の研究報告のまとめをご紹介します。


1.PNG:パプアニューギニア(ニューギニア島の東半分)
  ニューギニア高地のHighlandのY-DNA「K2b1」頻度は少なくても70%で、ほぼ100%の報告もあります。 チベット人の高高地適応の後天的獲得形質はデニソワ人から受け継いだと解明されつつありますが、ここニューギニアでも 高地に居住する部族集団にデニソワ度が高く、辻褄は極めて良くあっていますね。
  一方低地や海岸に居住する集団はデニソワ度は40%前後と中程度で、第一波のY-DNA「C」が30%程度となり、 Y-DNA「C」は回遊魚漁をする海のハンター集団と考えられているように、もともと海岸部に居住していたところへ、 第二波のデニソワ系が後からやってきて混在するようになったものと思われます。

2.WNG:インドネシア領西ニューギニア(西半分)
  ここの部族はデニソワ度が極めて高い集団が多く、100%の部族が複数存在します。 しかしこの地域はY-DNA「C」が100%の部族も多く、Y-DNA「K」が高い部族も複数あり、 パプアニューギニアに比べて遺伝子のモザイク状の混在が進んでいることが判ります。また同じY-DNA「K2b1」でもよく見ると、 古いほうのY-DNA「S」より新しいY-DNA「M」の頻度が高いこともわかります。この理由はまだ推測出来ていません。

3.メラネシア諸島部
    ここはニューギニアに較べて若干デニソワ頻度は落ちますがそれでも80%を越える島が存在します。 しかしオセアニアの先住民のY-DNA「C」はかなり少なく、代わりにY-DNA「K」が70%を越える島もあり 第二派も単純な遺伝子集団ではなくY-DNA「K2b1」とその親亜型の「K」の混成集団だったことがうかがえます。 またほぼすべての島にY-DNA「O」が検出されることから、Y-DNA「O」も出アジア・イベントの一員だったことが判ります。

4、インドネシア最東端部
  出アジアで集団は一気にサフール大陸に移動したわけではなく、一歩手前のかつてサフール大陸の一部だったと思われる地域にも Y-DNA「C」がメイン遺伝子としてしっかりと根付いています。デニソワ度は高くはなく抽出集団によって頻度は変動しています。 ここはY-DNA「O」度がデニソワ度(Y-DNA「K2b1」)とほぼ同じくらいのレベルになっています。

5.ポリネシア
  ここは西ニューギニアやインドネシアと同様、Y-DNA「C」がメインの地域になります。Y-DNA「K2b1」はほとんど検出されません。 これはデニソワ遺伝子を持つY-DNA「K2b1」遺伝子集団は海洋性技術がほとんどなく渡海できなかったことを意味するのでしょう。 メラネシアとはかなり異なる遺伝子集団となります。 その代りにY-DNA「O」が90%にもなる島もあり、しかもほとんどY-DNA「O2 (旧O3」なので長江文明の子孫ではなく、 漢民族と同じ黄河文明の子孫集団になります。アフリカのマダガスカルに長江文明系Y-DNA「O1」が34%も検出されることから、 漢民族の中にも遠洋渡海できる海洋性の集団がいたようです。

6.ミクロネシア
  ここもデニソワ度はほとんど検出されていません。Y-DNA「K」がメインのミクロネシア諸島連邦になります。 そのほかY-DNA「C」とY-DNA「O」がある程度検出されています。メラネシアともポリネシアとも異なる遺伝子集団と言えます。

7.オーストラリア
  先住民のアボリジニは北のAmhem Landと中西部のSandy砂漠の集団が調査されています。 基本は予想通り出アフリカ後5万年前頃に到達した海洋性遺伝子のY-DNA「C」の土地になります。 そこに後からY-DNA「K」が進出してきたようです。デニソワ度は当ガラパゴス史観が集めていた論文では「0」でした。 どちらかと言うと鳥の頭の形をしている西ニューギニアの最西端部に居住しているれるMoskona族やMaibrat族に近いです。

まとめ
  これまでオセアニアの先住民たる渡海技術に優れた海洋性ハンターのY-DNA「C」遺伝子集団が、出アフリカ後5万年前頃には 第一波の移動としてサフール大陸に到着後各地に展開し、海面上昇後ニューギニア、オーストラリアや各島嶼部に残った、と考えていたのですが、 もしかすると第二波の出アジア組Y-DNA「K」、「K2b1」と「O」の進出で、メインのニューギニアから弾き出された可能性もあります。 各島嶼部に残る遺跡を調査し、年代がはっきりすれば結論はでるでしょう。

  デニソワ度を表すY-DNA「K2b1」はインドネシア東部にもかなり検出されるということは、出アジアは海面上昇前か上昇中、、 インドネシア諸島部を経由し継続的にニューギニアに入ったことになるのでしょう。 ポリネシアやミクロネシアでほとんど検出されないということは、この遺伝子集団は高地適応はしていても、海洋性ではなく、 海面上昇前に到着したが、上昇後そのまま島に留まったと考えるのがベストでしょう。

  参考:グーグルMapで見たスンダランド−サフール大陸のわかる地図です。
  水色の部分が氷河期には陸地になっていた現大陸棚です。スンダランドとサフール大陸は繋がっておらず、 間にウオレシア、つまりウオレス線で分離されているため、渡海技術がないと異動は難しかったと思われます。 海洋性ハンターだったY-DNA「C」が移動できたのに対し、 Y-DNA「K2b1」は高地性の集団だったと思われ、単独では渡海できなかったと考えるのが自然で、 恐らくY-DNA「K」やマダガスカル島まで移動できる技術を持っていたY-DNA「O1」(マダガスカルの遺伝子の34%も占める)や 「O2」と共に移動してきたと考えるのが妥当でしょう。


と言うわけで、最もデニソワ度(Y-DNA「K2b1」頻度)が高いのは、手持ちの調査論文では、
パプアニューギニアのKapuna地域集団、西ニューギニアのUna、Yali、Ketengban、Awyuの各語民部族の100%と言うことになりました。

Y-DNAの最新ツリーです。


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  以上
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